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二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: 余命数ヶ日のボーカロイド 〜初音ミク〜 ( No.17 )
- 日時: 2010/10/24 12:50
- 名前: ミズキュウラ・ドラッテ (ID: qrnJbgt/)
「——ミク?」
歌を紡いでいた私の後ろから聴きなれた声がした。
急いで涙を拭った私は笑顔で振り返る。
「何?どうしたの……みん…な……?」
そこで私は目を見開いた。
仲間たちのほかに、ここにいることが不思議な人物が心配そうにみていたから。
………瑞ちゃん………それに………小豆ちゃんに、ワタアメちゃん……
私の後に造られた新型ボーカロイド。
試行錯誤を重ねた末、出来上がった……私の後継人。
これで確信した。
私、死ぬんだ………
「ミクちゃん…大丈夫?」
水色をベースにした服とマイクを装備している瑞ちゃんが私に労いの詞を言う。
その容姿はリンちゃんやレンくんにそっくりで、言葉遣いはどちらかというとリンちゃんに似ている。
声なんか透き通ってて、澄んだ青空を思わせる瑞ちゃんは、心配の色を青い目に宿して聞いてきた。
「ミクさんが元気がないと聞いて私たち励ましに来たんです」
オレンジ色の服が特徴の小豆ちゃんが私の肩にそっと自分の手をのせた。
「大丈夫?私たち新型はミクちゃんにどうこう言えるわけじゃないけど…勇気付けることは出来るよ!」
紫が特徴のワタアメちゃんが張り切って声をあげた。
…なんで?
…なんで私を励まそうとするの?
…そんなに私は皆からみると暗い?
そんなココロとは裏腹に、塞き止めていた涙がどっと溢れた。
「—どっ、どうしたの?!私たちなんかとんでもない事を——」
「ち、違うの…ッ。これはそういう涙じゃないの」
どうしても止められない。
何でこんなに涙がでるんだろう。
…我慢してたのに。
皆の前で気持ちを出さないように頑張ってたのに…。
…どうして?
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