二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: 蒼く染まりゆくは…【心霊探偵八雲】 ( No.12 )
日時: 2010/11/13 21:33
名前: 卍鄙城卍 ◆8TM.1EWlaA (ID: MlM6Ff9w)

風さん
俺は原作出身ですww
晴香ちゃん可愛いですよね^^
南雲とか斉藤兄弟を始め、全キャラは困難を超えさせていくつもりなのでぜひ読んでいただければ幸いです^^


07.騙し合い。

翌日、南雲は普段通りに講義に参加していた。
「ふぁぁあ・・・」
と欠伸を零し、寝る体制になっていた。

(・・・俺は騙し、てるんだよね。)
と心中そういう。

南雲は確かに血を引いている。

が、

正直父は一度も見たことは無い、し、更に脳裏では別の記憶が蘇る。

それはきっと前世の者のだろう、と思うが近頃違う。

これからの事が蘇る。

「う。とう。斉藤!!」
「はい!?」
と講師に突然呼ばれ、怒鳴られた。
「ここの問題を応えてみろ!!」
「えぇえぇ・・・・。」
と文句言いながら答える。

勿論当たってるが。


「・・・南雲。」
「何。」
「何か隠してないか?」
「特に。」
とまた、南雲は八雲の元へ行っていた。

本当のことを言えばすぐに「寝ている間にでも馬鹿になったのか?」と言われるのは眼に浮かんでいる。

しかしながらいつまで言わないでおけば後に相手にされない。

どっちにしろ言おうが言わなくとも騙すにも騙せない。


嘘吐きはどっちだ?

「あ、そうだ。奈緒が近頃八雲に会いたがってたよ。可愛いガーディガンを着て。」
と一言付け加えて後にする。


それから?

それから先は死を追いに逝くのさ。


だって、今日、否夢で俺は死ぬことになってるんだもん。


死ねばいい。

そうすれば、天より高く、守れるだろう?



シャン・・・・シャン・・・

不意に鈴の音が鳴り響いた。

「まだ死ぬ時じゃないでしょ。」
と凛とした声は何処か幼稚で、何処かで聞いたことのある声。

「・・・佳純?」
と番傘であんまり姿は見れないが、きっとそうだ。

あの小豆色の髪、あの翡翠色の眼。

そして、紛れもない自分の妹。

「佳純、だよね。」
「それ以外にだれが居るの?」
とそのあとクスクスと笑う声。

「お帰り、お兄ちゃん。」
と南雲がボーッとしてるとき、番傘は落ち、そのまま少女は抱き着く。
「って佳純!おまっ一旦離れっ・・・」
と引き剥がそうとする。
「えぇえぇ〜・・・」
とわざとらしく口を尖がらせる。

「で、態々青森から何の御用達?」
「修行が終わったから?」
「そっか。じゃ取り敢えず用件言って帰ってくれ。」
「・・・わかったよ。あのね、何となくね、お兄ちゃんが死にたがってる気がして飛んできたの。」
「おまっ・・・」

兄妹とはいえそんなにもわかるのか。

と感心しながら佳純の頭を撫でる。


「でも大丈夫そうだったなぁ・・・無駄足、かぁ。」
と佳純はわざとらしくシュンとさせる。
「あ、そうだ。風神は?」
「魄兎君なら元気だよ。」
と少し切なくはにかんで、佳純は電車に乗った。
「それじゃあね。」
「あ、そうだ。佳純、今度来るとき、奈緒の所、いってあげなよ。」
「うんっ!奈緒ちゃん元気だといいなっ」
と電車に乗った。




それから約10日程経っただろうか。
携帯で電話があった。

「もしもし。」
『あ、南雲!?』
「風神!?」
といきなり、元幼馴染みの風神 魄兎(カザガミ タクト)が電話を掛けてきた。
「で、どうしたんだ。」
『あのね、落ち着いて聞いてほしい。・・・佳純が死んだ。』
「・・・は?エイプリールフールはまだ先だろ。」
『嘘じゃない。・・・』
「嘘だろ!!?何でだよ!」
『呪殺、されたんだよ。婆さんに。』
「なっ・・・!?」

嘘だ。
あんなに奈緒に逢いたがってた佳純が。


全て。何もかも。

「・・・葬儀は?」
『・・・さっき終わった。お前の事だから飛んできて大学飛び出て講義を放っておくだろ?それを見据えてた佳純は最期の最期の気遣いだったんだよ。』
「っ・・・」
目からボロボロと涙がこぼれ落ちてるのが解る。

よかった、自宅で。

「そ、、、か。じゃ、切るね。」
『うん。。出来るだけ俺、長野に行くようにするから。じゃぁね。』
と電話を切った。


何故だろう。

今まで以上に孤独を感じる。

そして、喪失感が上になって今自分が正気でいるのかわからない。


また、全部、失いそうで。

とまた、眠りについた。



そして、また眼を開ける。

其処の部屋はトランプが嫌というほど敷き詰められ、まるで、トランプの海。

その中に俺は倒れてて、後廻りは棺桶が4つあった。

一つはもう開けられていた。

多分それは俺が入っていた、と思われる。
残りの3つ、全部覗いてみた。


一つは耳下から首筋まで一気に抉り切られた晴香ちゃんの死体。

もう一つは左目が紅く何処までも澄み切り、その眼から血を流し、口許からも血が流れてた八雲の死体。

そして、もう一つは________


と其処で眼を開けた。


よく見ればビッショリと肌に紅いVネックが張り付いていた。


あれは本当に起こることなのだろうか。


そう想像するだけで怖くなる。


自分のせいで殺されたりするなら________




08.トランプ†spade†