二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: 蒼く染まりゆくは…【心霊探偵八雲】 ( No.5 )
- 日時: 2010/10/24 17:56
- 名前: 卍鄙城卍 ◆8TM.1EWlaA (ID: MlM6Ff9w)
03.哀しみに染まった蒼
「其処木が腐って直ぐ地下室へ真っ逆様だから。」
と南雲は晴香の足元を指差す。
「う、うん・・・って南雲君何でそんな軽々と・・・」
「仕方ないんだよ。大体剣道・・・否殺陣が趣味で何と無く其処が穴だとか解るんだよ。」
とどんどん奥へ進んでいく。
「・・・妙だな。」
「えっ?」
「今この廃校した小学校には君と俺しかいない。まぁ霊は彼方此方に僕等を見て少し驚いている。なのに何故足音が聞こえるんだい?」
と一瞬にしてその場にいた晴香たちは足を止める。
「ばれちゃあしかたないねぇ。」
「・・・宇津木先生!?」
「誰、それ。美味しいの否どう見ても不味そうだな。」
と懐中電灯を宇津木へ当てるがやはり真っ暗に近い。
「宇津木先生・・・何でこんなところに・・・」
「この学校を燃やして生徒を焼き殺し教師や・・・自分だけ助かったんだ!!貴方は幼い自分の娘や奥さんも同じ目に合わせた!!それも不審火で他の人間が逮捕され自分だけいい気になって隠居してたんだ!!違うか!!?」
と南雲は一気に宇津木の事を知ってる限り情報を口にした。
そして、その眼はとても憎むように睨みつけていた。
「ヒッヒッヒ。。よく捨てられた子供がよく言う。だからそれがどうした!!」
と宇津木は手にしていたスコップを晴香へ向かい走り殴ろうとしていた。
ゴッ
と鈍い音がしたと思えば南雲が晴香を庇っていた。
「っく・・・」
「南雲君!!!!」
「・・・宇津木さん、貴方に一つ言うのを忘れてました。ココに居るミンナはとてもとっても貴方を憎んでいる。ほら、眼を閉じて神経を集中させて」
と南雲は宇津木のスコップの柄を持ちそういう。
言われたように宇津木は目を閉じる。
すると
『どうして?先生、どうして?どうして?』
『自分だけいい気になって・・・許さない!!』
『酷いヨ・・・何デ?何で・・・・?』
と憎しみ、哀しみ怒りそんな声が聞こえる。
そして、宇津木は次の声を聴いたとき崩れた。
『おとうさん、どうして?どうしておかあさんといっしょにおうちを焼いたの?なんで?莉奈がわるかったの?莉奈のせい?』
「う、うわあぁあああぁあああああああ!!!!!」
「貴方は早く自首するべきだった。なのにどうして・・・どうして自分の娘さんにまで手を掛けたんだ!!娘さんが生きていれば今、高校生3年生だった筈だ!!なのに何故10年前、ココを燃やしたんだ!?」
「そ、それは・・・」
「南雲君・・・それって・・・もしかして・・・」
「あぁそうさ。だから小埜塚さんの事を調べていた。まさか明政大学の元文学部顧問だったとはね。」
※
「・・・そういう事か。」
と図書館にて八雲はパソコンとにらめっこしていたがすぐにクスリと笑った。
「南雲・・・有難う。本当に。」
あのまま僕がついて行ってしまったら本当に憑りつかれそうだった__
と八雲は急いで後藤に連絡を入れようとした瞬時電話が鳴り、取れば後藤の怒声が耳を貫いた。
「後藤さん。今すぐ其方が終わったら僕を拾って明政小学校まで送ってください。きっと驚くことがありますよ?」
と弄ぶ様にそう言うとパソコンの電源を切り、校門へ向かった。
※
「っつ・・・」
と明政小学校を後にする際南雲は近くの木に凭れた。
「南雲君っ!大丈夫!?」
「っつ・・・さっきコンタクト落とした。。」
と右眼を隠すように手で顔を覆う
「見してくれないんだ・・・」
「見せても何の得?得がないのにする必要がないじゃないか。」
と笑う。
「いいから。怪我してるんだから。」
と晴香はハンカチを出し、南雲の額の傷を抑える。
「っもう少しマシな事無いの?」
「仕方ないじゃない。そのまま絆創膏すれば黴菌が入りますし。」
「そうだね。」
と南雲は右眼を隠してた手を放した。
「あっ・・・」
「どう?感想は。八雲とは違くって蒼く澄んだ眼は。」
「綺麗でなんていうか・・・不思議。」
「ブッwww何でそう言えるんだろ。やっぱ八雲が言ってた通りだよww」
と目尻に涙を溜めながら大笑いする。
本当は嬉しくって泣いたんだと思う。
「・・・晴香ちゃん、有難う。俺そういわれたの嬉しくって。嬉し泣きしちゃったじゃんw」
「クスッじゃ戻りましょ?」
「そうだね。本当は来てほしくない人が迎えに来たし。」
と南雲は晴香に笑いかけ手を取りすぐ後藤を毒づいた。
後日
「晴香ちゃん!」
「あ、秋ちゃん!?」
「言っただろ。小埜塚さんは霊に憑りつかれていただけでまぁ消えたって言ってもものの3日間。ね。」
「南雲君ありがとうっ!!」
と晴香がほんの少し目に涙を溜めながら感謝を口にした。
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04.馬鹿こそ風邪を引く