二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: 自分探し 【銀魂】 ( No.106 )
- 日時: 2011/04/02 20:44
- 名前: 海苔 (ID: C2h0WdVv)
- 参照: 気づけばもう3月ってww
第三十九訓 順序が逆とか言わないで
「今日のおやつなんだろーなー」
軽くスキップをしながら廊下を曲がると、ぶつかった。
「ぶへっ!?」「っ!?」
彼は体制の崩れた私の手を取り、自らの方へと引っ張った。
鼻腔をくすぐる煙草とマヨネーズのにおいで相手が誰か嫌でもわかってしまう。
「……土方」
「呼び捨てとはいい度胸だな、香音」
「いえ、別に! そういうことではないでございまして!」
あわてて言い訳をしていると、土方さんは後方の部屋を指差して言った。
「客。お前に用があるみてーで、今しがた近藤さんたちと話してきた」
「お客さんですか。どちら様で?」
「行ってみればわかる。
ところでお前、おやつがどうのこうのって……」
「行ってきまっす!」
ばたばたと急いで後方の部屋の前へ行き、障子を開けて驚いた。そして流れ作業で土下座をする。
このとき、場にいたのは近藤さんと総梧。廊下に土方さんだったが気にして入られない。
「お久しぶりでお元気で何よりでございまする、音成さんんん!!!」
「久しぶりね、はるか」
『え゛えええぇぇっ!?』
優雅に微笑む音成さんをよそにまわりから叫び声が聞こえる。
ちっ、あいつら……! 仕事しろや!
つか総梧、なに携帯取り出してんの。ちょ、写真撮る気だよ!
カシャとあの音がして私の人生オワター。
「じゃないっ!」
頭をあげて音成さんの顔をみる。にこにこと笑ってはいるが左手には包帯が巻かれている。私は理由を知っている。
不意に痛みを感じる。スライディング土下座をした時に擦りむいたのか。
「はるか、でこ擦りむいてやすぜ」
「知ってる」
「はっきり言って、そのまんまヤスリで擦りたい気分だねィ」
「病院行って帰ってくんな。にしても、こういうの地味に痛いんだよね」
さすろうとした手を音成さんが止めて静かに包帯を取り始めた。
その行動に疑問を持ちつつも、みんなはそれを見た。
包帯がとれて中から出てきたのは傷一つ無い左手。音成さんはそのまま手を私のおでこへと持っていき、撫でた。
傷は一瞬にして消えて、小さく笑い包帯を直していった。
「……? 今のは一体……?」
近藤さんが尋ね、音成さんは説明を始めるのだった。