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二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: 自分探し 【銀魂】 ( No.114 )
- 日時: 2011/05/17 21:21
- 名前: 海苔 (ID: c6qcjh7E)
- 参照: え、もう4月!?
第四十二訓 近いうちにまとめという名の何かを書きたい
「あんた今嘘ついただろ」
静かになった部屋の中で沖田の声が響いた。
近藤と土方が慌てて沖田の方を見る。
「なぜ、そう思うのですか」
淡々とした口調で尋ねる音成。
総梧やめろ、その声も聞かずに沖田は答える。
「あいつは初めて俺たちと会ったとき言ってやした。
血の繋がりのある人はなく、性別は変わった……ってな」
「それは記憶を失ったからで」
少しずつ会話のテンポは上がっていき、近藤は内心はらはらしつつも見守る。
土方は双方の様子を伺い、止めるタイミングを見計らっていた。
「なら兄貴の話しは、しなかったんですかィ?」
「話したら悲しむでしょう。だから——」
その瞬間はあまりにも早かった。
「じゃあなんで兄貴のこと知らねーはずなのに性別を偽る必要があったんだ。
ってことか?」
結論を言われ、じろりと土方を見て沖田は小さく呟いた。
「……横入りとか卑怯ですぜ、土方さん」
音成は不意をつかれ口をつぐむが、やがて観念したように目を閉じ息をついた。
「これ以上は話すつもりはありませんでした」
糸を張られたかのように背筋をのばし、ゆっくりと開かれた瞳には先ほど屯所前で
見たとは違い真剣な色味を帯びている。
「しかし今……話すしかないようですね。
結論から言います。あの子の兄ははるかの記憶を書きかえたのです」
「記憶を、書きかえる……?」
「燃え盛る火の中自分は助からない、そう察したのでしょう。悲しむ妹を見たくな
かった。だから“自分の存在”を消して“本当の姿は男”と書き換えたのでしょう」
「ってことは、つまりはるかくんの本当の姿は……」
事に対し戸惑いつつも小さく問いかけ、音成はきっぱりと彼らに告げた。
「はるかは“女の子”です」
この事をはるかが知るのは、まだ先のこと——
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