二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: 自分探し 【銀魂】 ( No.116 )
日時: 2011/04/25 21:06
名前: 海苔 (ID: ehSJRu10)
参照: え、もう4月!?

第四十三訓 とりあえず明日に向かってバカヤロー




「それから香音呼んで来いと言われて今に至るわけだが。
 正直に言え。第何訓の誰の何行目のセリフからだ」

「土方さん。軽くパニくってやせんか?」


はるかがいなくなって藤月隊は呼ばれ正座させられている。
つーかこの訓、藤月隊の出番を増やそうとして考えられてるような気がするのは俺だけか?

近藤さんは呼ばれちまって居なくなってしまったし、はるかもあの女と出かけちまったし。
手を頭の後ろに組み、姿勢を崩す。そしてふと思う。

——あれ、俺最後にはるかと話したのはいつだ?

数分前のあれは会話じゃないな。『会って話す』のが会話だからねぃ。
つまりは世間話とか雑談とかで——


「……黙ってちゃ、拉致があかねーな」


土方の言葉で俺の考えは一旦消される。
煙草とお決まりのマヨライターを取り出して、火をつけた。


「よし。片っ端から言ってけ」


端にいた春を始め、裄乃に狼刀、穂乃嘉で終そして翡翠へと続く。


「うわー、マジですか土方君」

「ごめん土方。そういうのってないと思う」

「そうやって無理やりとかさっ」

「そうだよ、トシ。プライバシーとかね」

「土方さん。人には言いたくない秘密の一つや二つはあると思う」

「みなさんの言う通りだとボクは思います!」

「そういうことを言えって誰が言ったあああっ!?」


きれいにまとめ上げられた答えに対して土方は怒りを露にする。
……こいつら変なチームワークついてるな。

さっきの続きを考える。
そういえば、雑談とかの前に何か大切なことがあったような——


「だからねっ! 一番悪いのは私なのっ!
 昼ドラ録画し忘れて、再放送見ようとしたら声が聞こえて!」

「違うのである。我輩が録画を忘れているのに気がついていればっ!」

「穂乃ちゃんとはるっちじゃないよー!
 私が『昼ドラといえば、知らない人がやってきたりすることだよね』とか言わなければ!」

「裄乃さまたちではありませんよ!
 ボクが山崎さまとバトミントンをしていたら知らない人を見かけて報告してしまったボクが!」

「山崎にミントンを誘われたが仕事があり翡翠に変わってもらった俺が……」

「違うよ。みんなじゃない。
 はるかに頼まれた仕事が多くて終に手伝ってもらった僕が!」

「いやいや私が——」

「めんどくせえええっ!!!
 何コントみたいになってんだ!」


土方は刀に手をかけて今にも斬りかかんばかりの体制となっている。
とりあえず、なだめて落ち着かせる。
さて、何だったっけか。
俺にとっても、はるかにとっても大切な何か。
そしてそれは瞬間的に思い出された。

——し、ろき、つ、ね、のしょ、うたい、だろ。

白狐の正体だろ。と変換された時とほぼ同時に。
ふうっと息を吐いて、灰を落として


「いいか。一度しか言わねーからな。

 お前たちの隊長の秘密を」


諦めたように土方は全てを話した。