二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: 自分探し 【銀魂】 ( No.119 )
- 日時: 2011/05/20 21:55
- 名前: 海苔 (ID: c6qcjh7E)
第四十五訓 もやもや悩んでやっと四十五
「まったくさー。あそこで帰すならなんでつれて来たんだよ!
……あ。道、わからないのか」
どうせ休んでいいぞと言われたんだから、休まないと損なわけで。
私は川原で寝そべって眠る体制に入りつつある。
ぼけっと空を漂う雲を見つめて、ふと思う。
ココ
いつまで江戸にいていいんだろ。
始めは火事のこと調べるために来ただけだったのに、いつの間にか真選組に入って。みんなと会って。隊作って。
……今、デジャブ感があったのは気のせいだ。
過去の自分を知っている人達にもあって。調べることが増えて。
「全部無かったことにして帰ろうかなぁ……」
ポツリと口からこぼれた言葉が頭の中で響いた。
——
一方そのころ。真選組もとい藤月隊の皆さんはというと。
「まさか、はーぴょんの過去があんなだったなんてね」
仰向けになって足を投げ出し全体に届くように声を発する裄乃だが、その声にはいつものような明るさは無かった。
そして他のメンバーも同様に顔は曇っている。
はるかが真選組に来た経緯から、先ほどの音成との会話まで土方たちは話した。
といっても後者は全て聞いていたのだが。
「土方さんにはいつも通り接しろと言われたが……」
「そんなこと言ったら余計に難しいっつーの!」
軽く叫んで、裄乃と同じく後ろに倒れて天井を見上げた狼刀は一つため息をつく。
不意に
「だけど」
春が口を開く。
「我輩は少しスッキリしているのである」
「春ちゃん、どうして?」
「はるかさんは自分のこととかあまり話さないし、聞いちゃいけないような気があったから、
ちょっと近くなれたような気がするのである。
それに。我輩は、はるかさんと一緒にいたいのである」
にこりと微笑んで春は答えた。
そして、いままで黙っていた翡翠が手を打ち納得した表情になる。
「つまりは。はるる様の過去がどうであろうと僕たちは、あの日はるる様に着いて行くと誓ったということですね」
「……おぉ! 翡翠、いいこと言うじゃないか!」
勢いをつけ起き上がり裄乃は顔を輝かせる。
続けて穂乃嘉がしみじみと呟いた。
「そう、だね。
私の場合ははるかちゃんに助けられたけど、今更昔のことなんて気にしてられないよね」
「じゃあ話もまとまったことだし、本日は真面目に仕事でもする?」
立ち上がって笑う狼刀に終が小さくつっこんだ。
「本日は、じゃないだろ」