二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: 自分探し 【銀魂】 参照1000突破ってマジか ( No.122 )
- 日時: 2011/05/24 21:01
- 名前: 海苔 (ID: c6qcjh7E)
- 参照: 一番くじ、どこにもねぇww
はるかが昼寝をしていた時。
藤月隊が話していた時。
音成は万事屋に“依頼”を頼んでいた時。
町では小さな異変が起きていて、その原因は——
「さてと。これで全部町中に流れていったはずだけど、果たしてどうなるかな?」
口元を緩ませる彼の手には小さな袋。中には粉のような細かいものが入っていたのかカスがほろほろと零れている。
高くて風が強いビルの上で彼はこの場にはいない彼女に向かって笑う。
「やっぱ、宇宙って広いよなー。
こんな面白いものまで手に入るんだから。なぁ、はるか」
第四十六訓 かわいいくしゃみって無理だろ
「……おい。起きろ」
あれ。誰かが私を呼んでいるような気がするけど、視界はぼやけていてよくわからない。
しかし少しずつ慣れたき目と言葉で誰かすぐにわかった。
「これ以上呼んで起きねーってんなら……」
「っうぇい、危ない! 総梧っすね!
起きます起きます。起きましたともさ!」
慌てて上半身を起こしてみれば、頭上には眠る前と変わらない空だが太陽の位置が下がっている。
顔を上げてみると私を見下す総梧。だが口元にはマスクがついている。
「はるか。さっさと帰るぞ」
その手には同じく、ごく普通の風邪予防のマスクが握られている。付けろってことかな?
「どーしたのさ。それ」
「早くつけろ。ちょっと町がやばいことになってらぁ」
「何か事件でも——ぶぇっ、ぐしゅん!」
粉のようなものが鼻に入って思わずくしゃみをしてしまった。
鼻をすすって総梧の方へと向き直り「事件でもあったの」と尋ねようとしたが、その瞬間。
口が、勝手に動いた。
「そういえばこの前。私、総梧のカステラ食べたんだよね」
い、いま。口が勝手に動いたっ!?
だけどカステラを食べたのは事実だし、なにが起きた?
「知ってる。だから早く付けろ」
総梧は冷静に答えて、私にそれを押しつけると走り出した。
そして急いでつけて後を追った。
——
屯所に駆け込むとみんな口元を覆っていた。
廊下を駆けていくと空気が、あのなんともいえない白狐のときのような重い空気を感じた。
「土方さん! 何があったんですか!」
他の隊士との話を切り上げて、こちらへとやって来る。
煙草を取り出そうとしたがマスクをしているもんだから、小さく舌打ちをして仕舞った。
「何があったってもんじゃねぇよ。江戸中が大混乱してやがる。
おい総梧。こいつマスクしてるが体験したか?」
「もちろんですぜ。藤月隊は全員俺のカステラを食べてやした」
気のせいか睨んだように見えたのは。ってかあいつらも食べてたのかよ!
瞳孔をいつもより開き真剣に土方さんは説明した。
「そーか。香音、簡単に説明するとだな。
江戸の空を舞っている流砂が口や鼻などに入るとくしゃみをして、自分の秘密や本音をだすっつー厄介なもんが飛んでやがる」
「秘密に本音って……。でもこれしてれば平気みたいですが」
ピッと自分の口元を指差してみるが、その時そばを通りかかった山崎がくしゃみをした。
「この前俺、張り込みのターゲットとの娘とバトミントンしてしまいました!」
「山崎ィィィっ!!!」
「うわぁぁぁっ!」
呆然とその姿を見ていると隣で総梧が付け足した。
「してても30分に1回は起きるみてーだし、回数を重ねるごとに秘密も重くなるんでぃ」
「じゃ、じゃあ秘密がなくなるまで待つしかないってこと!?」
「原因は今、藤月隊が調べてるけどな」
少し空を見上げるとキラキラと日の光に照らされて細かい何かが光ってた。