二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: 自分探し 【銀魂】  −流砂篇− ( No.130 )
日時: 2011/06/25 20:20
名前: 海苔 (ID: 7POxSCHv)

第四十九訓 旅行などの際にはその場所を詳しく調べること





藤月隊が戻ってきたその頃、はるかはというと。



「しゅーうー! ほーのかー!
 いたら返事しろってんだ、コノヤロー!」


相変わらず刺々しい人の目を集めながら叫び走り尋ねるが、情報は何もなし。

ココまで探して向こうに居たらバカバカしいな……。
とりあえず来た道を戻ろうとするが、いつの間にかあたりは薄暗くなってしまった。
ただでさえ物覚えの悪い自分が先ほどの場所まで戻れる自信なんて、ナッシングだ。え、古い? 何言うか時代の最先端だ。


「来た方向へ向かえばたどり着くよね」


本気で迷ったら屯所の道でもきいて帰るか、万事屋見つければラッキーだけどなー。

のんきに考えて逆方向へと歩いてみた。

——


「あっ、れぇー?」


この道さっきも通ったような気がする。
いや絶対通った。つーか本気で迷ってないか自分。
空はどんどん濃くなって一番星を探してしまった。探すもの星じゃない! 人!

早く帰らなくちゃいけないのに。また土方さんに怒られる。
みんなのとこ帰んなくちゃ。でも道わかんないし……。


「星にでも願ってみるか……」


こうなりゃ、やけくそもいいところだ。
目を閉じて胸の前で手を組んで



——どうか帰れますように



願って、また歩き出した途端。


「あ、橋だ……!」


遠くに見えるのは星明りに照らされる、朱色の欄干に木で作られた立て札。昼間確かに通った。
運よく橋の上には人が居る。これで道を聞いて帰れるぜ、キャッフー!

お星様ありがとう、なんて心の中で感謝をして橋の上に居る人までと走り出す。


「あのっ!」


足音が木の軽い音になって、息を整えつつ声をかけた。
“彼”はこちらを振り返る。


——紫っぽい髪色に

——包帯からのぞく片目と

——派手な着物に

——紫煙をくゆらせる彼は


昔総梧から教えてもらった危ない奴の類に入る、攘夷派の連中で。



「え……?」



多分私の過去を知っているであろう、高杉晋助だった。