二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: 自分探し 【銀魂】  −流砂篇− ( No.136 )
日時: 2011/08/10 21:25
名前: 海苔 (ID: DZWfhZUD)

第五十一訓 急展開、急ピッチ、急更新




しばらく海を眺め、軽く寝かけていた時だった。
突然の轟音が響いて船内を揺らした。

ぐわんぐわん揺れて、気持ち悪い。うーあ、やばいよ。なんか出そうなんだけど。吐くという意味で。

2度目の音。さっきより近くなって人の足音がばたばたと聞こえてくる。叫び声に飛沫の音、銃声や刀の響き……なんだ内乱? 誰か密告者か何かでも出たのかな?
とりあえず気分が悪いから寝転がって、外の様子を伺う。


「ぐはっ!?」

「ひっ、ひるむな……!」

「早く高杉さんにこの事を伝えろ!」


もしかしたら。助けに来てくれたのかな。
私がいなくなって探したら、なんか手がかり見つけて乗り込んできたとか。

——ってないない。そんなこと絶対に。
でも、もしそうだとしたら。いいんだけどなー、なんて自惚れてると



 襖が、開かれた。



ちなみにここで1つ言いたいのは。
この時私は畳に寝転がっていたわけで、襖のほうなんて見ては無く。むしろ反対の窓側を見ていたのですが——


「大丈夫か!?」


声しか聞こえない“その人”は手足の縄を刀(と思われるもので)外してくれる。
その場で動くか確認して、立ち上がろうとするが頭とわき腹……とにかく気持ちが悪く立てない。


「大丈夫! とか言いたいんだけど、気持ち悪くて無理っす」


空気がしらける。
「大丈夫!」とかやってる場合じゃないか、そうですね。


「……背中」

「が、どうした?」

「いや、乗れって」

「……吐いたら、どうする」

「捨てる。っつーか冗談だろ」

「よくわかってんじゃーないっすか」


目を明けると“その人”の背中が見えた。どこかで見たことがあるような、そんな感じ。
言われたとおりに背中へと掴まる。外はまだ騒がしい。


「よし、行くぞ」

「うーい」


曖昧な返事をすると“彼”は私をおぶったまま走り出した。