二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: 自分探し 【銀魂】 −流砂篇− ( No.146 )
- 日時: 2011/09/27 21:39
- 名前: 海苔 (ID: arQenQl7)
第五十五訓 敬語って難しいと思う人はたくさんいるはず
んじゃ着いて来い、と言われて仕方なくあとを追って行く。
しばらく歩いていると総梧は立ち止まり、障子を開けて部屋へと入っていった。
見慣れない部屋にはたくさんのファイルがきちんと並んでいる。
「ここって何の部屋?」
「資料室。見てわかんねーのかィ?
あ、お前バカだからしょうがねーか」
「へいへい。どうせバカですよー」
適当に受け流して、私は始めて訪れた資料室を見回した。
ずらーっとファイルが並んで背表紙には事件の名前や年や月が書かれている。
——たいへんっすねぇ。真選組さんも。
なんてことを思って棚に沿って歩いていると、半分ほど飛び出ているファイルを見つけた。
優しい私は(ここ重要)そのまま棚に戻そうとするが、押すとはみ出てくる。
奥に何かあるのか、とりあえずファイルを取り出した。その時どうしてか中身が気になって気づくと表紙をめくっていた。
読んでいくとどうやらこれは未解決——簡単に言うと犯人が捕まってなかったり
原因不明のもの——の事件、事故をまとめたものだった。
「……ん?」
ふと目に飛び込んだ一つの記事。
何か引っかかるものを感じて、そのページを読み始めた。
【——二件火災 原因は焚き火 】
【——女性と7歳の少女が軽傷】
【——家内には少年がいたとされているが】
【——詳細は不明】
そこまで読んでおもわず閉じた。
「なに、これ」
気のせいだよ。こんな事件どこにでもあるに決まってんじゃん。
頭の中ではそう考えつつも、もう一度同じページを開き日付を確認した。
……うっそだー。
偶然でしょ。たまたま日付が同じなだけだし。
それに“少年”って誰だよって話だし——
「はるかー」
「うぉあっ!?」
突然、声をかけられてファイルを落としてしまう。
やばっ。早くしまわないと。
無理矢理押し込んで総梧のいるとこへ向かった。
+++
『何探してたの』
『流砂ににたもんの資料』
『……薬物ってこと?』
『それとは別みてーだけどねィ』
それから数日後。流砂の結果が出た。
私が無くしたはずのものは、どこからか総梧が見つけだして。(どこにあったかは教えてくれないけど)
流砂の正式名称は『個白剤』と呼ばれていて
少し前にはどこだかの星で売買されてたが、問題が生じ今は作られてないはずなのだが——
それが江戸にばら撒かれていた
という事ですか土方さん」
「お前誰に説明してんの?」
「秘密です。それで流砂ばら撒いた奴は見つかったんですか」
「何言ってんだ。こっからが本番だろ」
灰皿に煙草を押し付け火を消した時の、彼の表情はどこかかっこよく見えた。