二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: 自分探し 【銀魂】 ( No.155 )
- 日時: 2012/01/11 21:39
- 名前: 海苔 (ID: MCbMbFoh)
「いま酔っ払いがこんな真昼間から喧嘩おっぱじめやがって、手に負えねえんだ。姉ちゃん見る限り真選組だろ? ちょっと止めてきてくれや。このまんまじゃ怪我人が出ちまう」
「って言われましても! 相手ガラス持ってますよ!?」
「とにかくつべこべ言わずに止めてこいや!」
「うぉあっ!?」
私はおじさんに背中をぐいぐいと押され、円の真ん中へほっぽりだされた。
第六十訓 こそこそ溜めていよいよ六十
う……。町の皆さんの視線が痛い。
面倒ごとを押し付けるなよ……! 簡単に止めろ言うなっつーに。
「あ、はるか」
何度か聞いたことのある声に呼ばれ、振り向くと銀さんがいた。
なんだ、お前も野次馬の一人か。
「なにしてんの、お前」
「なにって。町で騒ぎがあればそれを解決するのが警察ってもんですよ。……そういえば銀さん、1つ聞きたいことあんですけど」
——高杉から助けてくれたのって銀さんですか?
そう尋ねようとしたが、後ろから悲鳴。
先こっちから片付けなきゃダメってことか!
見ると割れたガラス瓶片手の酔っ払い(多分こいつが元凶)が、若い娘さんに絡んでる。
あー、やだやだ。なんで昼間からお酒飲んでんだよ。平和日和じゃんかこんちくしょー!
「ちょいと、そこのおじさん。娘さん嫌がってるじゃないですか。そんな物騒なもん置いてね。話しましょ、ほらほら」
笑顔で応対する私に対して酔っ払いは見向きもしない。
……強行突破ありってことですか。さすがに笑顔のはるかちゃんも切れますよ。
手荒なマネはしたくないけど、娘さんのうでを無理矢理おっさんから引っぺがす。
やっとここで私に気づいたおっさん。
「姉ちゃん、なにしとんじゃ?」
「善良なる市民を悪の手から離しただけです」
娘さんを背中でかばう感じにして前に立つ。
おっさんやる気か……? 左手を刀へ添えつつ様子を伺ってみる。
すると意外なことにおっさんは舌打ちをすると私たちに背を向けた。
「よし……。あ、うで大丈夫ですか?」
平和日和の元通り——そう考えて、娘さんのことを心配してこちらも背を向けたときだった。
後ろの気配に気づいたときには、もう遅く。
おっさんは新たなビンを大きく振りかぶってた。
——間に合わないや、防ぐの。
もろ頭に痛みを感じてまた意識が飛んだけど。
前と違うのは、町の人がいて、私の名前を呼んだのが総梧ではなく銀さんだということだ。