二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: 自分探し 【銀魂】 ( No.157 )
日時: 2012/01/29 20:56
名前: 海苔 (ID: xy6oYM/9)

なんともいい難いような変な感じ。

——はるかってこんなやつだったか?

奇妙な違和感を持ちつつも俺は何気ない雰囲気で出た。


「なんでィ。意外と元気そうじゃねーか」

同時に振り向く3人。はるかはキョトンと呆けている。


「なにアホづらしてんだ。ほれ土方もなんかいってやってくだせェ」

「……体調はどうだ」


呼び捨てをしたのに突っ込まれず、少し驚いた。いつもならここで怒鳴ってもいいはずなのに。


「ったく、いつも問題ばっか起こしやがって——」

「あの」


おずおずとこちらの様子を伺いながらきりだす姿は、やはり別物で。
その言葉の続きは、頭の片隅で予想されていたものの1つだった。


「どちらさまでしょうか?」


旦那のほうをちらりと見ると、そそくさと逃げ出そうとしてた。





第六十二訓 一日の大半を眠りに費やしたいこの頃





「どーいうことだ。内容によっちゃあ、てめえを公務執行妨害で逮捕するが」

「ちょ、待てって多串君! 俺は本当に何もやってねぇんだよ!」

「嘘こけ! てめえが入れ知恵したとしか思えねえんだよ!
 さぁ正直に吐け。あいつに何を入れ込んだ?」

「違えつってんだろぉがよぉぉぉっ!!! はるかも上司に何か言ってやって!」

見苦しいとはぴったりの言葉だ。病院ってこと忘れてるだろ完全に。
メガネとチャイナには席をはずしてもらい、馬鹿二人は後ろで喧嘩中。

さっきから俺のことを見つめるはるかは、なんか調子が狂うっつーか。


「すみません。この空気、私のせいですよね」


“私”という一人称。前も同じだったはずなのに、違和感しかない。


「俺の名前は?」

「……ごめんなさい。覚えてないんです。神楽ちゃんたちが言うには私は真選組ってところで働いてるということしかわからないんです」

「そうか」


何を言わせたいのだろう。はるかは覚えてないと言ってるから覚えてないだけなのに。


「——俺の名前は沖田総梧」


悲しそうにうつむいていた顔が上がって、またこちらを見る。


「俺のことは呼び捨てでよんでた。で、あそこの瞳孔かっ開いてるのが土方といって一番隊隊長で——」

「なに嘘教え込んでんだ!」


ちっ……。もう少しだったのに。
そんな屯所でのいつもの光景を見てはるかは、笑ってた。


「ふふ、仲いいんですね」


にこりと効果音のつきそうな顔は何を思ったのか、かわいく見えたのは気のせいだ。絶対に。