二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: 自分探し 【銀魂】 ( No.17 )
日時: 2010/11/01 16:28
名前: 海苔 (ID: Sjvfb7mA)

「こちらこそよろしくお願いします」



差し出された手のひらに自分の手を重ねた。







第七訓 いい感じのところで邪魔が入るのはお約束






手が離れる。


「あの坂田さん。もし今度時間があれば、昔のことを教えてくれませ……」


この人は私の過去を知っている。つまり話を聞けば何か思い出せるはず。

そう思い後日会えるか聞いたとき、私の声は遮られた。




「はるかー。どこにいるんでーィ。
 一番隊隊長の沖田総梧様が呼んでやってんだから、さっさと出てきなせィ」




「よくそれを人の横で言えますね。沖田さん。
 それより今、自分で様付けしてたよね」

「気のせいでさァ。
 では旦那、俺たちはこれにて」


私の右手を勝手に掴み、どんどん歩いていく沖田さん。

自分勝手すぎるし! 『これにて』じゃないよ!
まだ言い足りないのに。

坂田さんが少しずつ小さくなっていく。
慌てて私は言った。



「さっ、坂田さん! また近いうちに会えたら、会いましょうねーっ!」



掴まれてないほうの手を坂田さんに向かって大きく振った。それに気づいてくれて笑顔で振り返してくれた。






なんかココに来てから嬉しいことばかりだ。







思わず口から笑い声が出ていた。


——


坂田さんと別れて、そろそろ真選組につくころに思った。



いつまで掴んでるんだ、この人は。
しかも強く握るもんだから痛いよ。


言うまで離さないつもりだろうから、言ってやった。



「沖田さんいい加減に離してください」


「ん? あ、忘れてた」



忘れてたって……。
勝手に握っといてそれはないだろ。


するりと手がほどけて、後に残ったのは温もりとしびれ。






それから沖田さんは、その日一日私と口をきかなかった。