二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: 自分探し 【銀魂】  −日記篇(?)− ( No.24 )
日時: 2010/11/25 20:55
名前: 海苔 (ID: 3nYhlhuN)

第十二訓 昔の日記は黒歴史





「まさかこんなところで再会するとは思ってもみなかったが、久しぶりだな」


路地裏の片隅で体育座りをしながら話をする桂。
その隣に一応座る俺。

つか、やべーよ。こんなところ土方さんに見られたらクビなんてかわいらしいもんじゃすまねぇ。
早く桂を捕まえたいところだが、昔のことを少しきいてみることにした。


「あの桂……さん。昔の俺のこと教えてくれませんか?」

「かまわないが先に1ついいか」

「別に良いですけど……」


質問に対して質問で返すとは!
なんだこいつ。ある意味すげぇよ。






「お主は本当にはるかか?」






もう一回言う。ある意味すげぇよ。


「見た目はそっくりだが話しているうちに『あれこいつ本当にはるかか? もしかしたら別の奴なんじゃね? でも声かけちゃったからやベーよ』みたいな気持ちになってきたからな」


なんだろうこいつ。くどいよ説明が。

俺は坂田さんにも言ったが同じ説明をした。


「はるかだけどはるかじゃない。昔のことは何も覚えてない。
 だけど俺は、はるかだ」


まっすぐと俺の目は桂を捕らえている。
しばし見つめあって、桂は目を閉じて


「……わかった。よーくわかった。
 では手始めに何が知りたいんだ、はるか」


茶化すような口ぶりだったが、信じてくれたみたいだ。



「じゃあ——攘夷戦争の俺から」




「攘夷戦争か、懐かしいところから来るな」


あの頃を思い出すように空を見上げて話し始めた。


「そうだな。仲間思いのいい奴だった。それでいてどんな相手にも物怖じせず立ち向かっていった。
 そしてとても強くて“神の使い”と天人から呼ばれていたな」

「神の使い……」


思わず呟いてしまう。


「あぁ。仲間には優しく自分には厳しい。悪いことは悪いという素直すぎる奴だった」


昔の俺ってどんだけすごいんだよ。
聞いていて頬が熱くなっているのが分かる。




「俺が知っているのはこれぐらいだ」




途端に桂が立ち上がり、笠をかぶった。

え、行っちゃうんだ。
って敵じゃん! 何思ってんだよ自分!


「あ、ありがとうございます!」

「いや。ところで俺を捕まえなくていいのか?」


自分で言うか。と心の中で突っ込みをする。


「えっと。サービスです。
 いろいろ教えてもらいましたし、それに悪いことしてないじゃないですか」

「そうか。ではお言葉に甘えるか」


そうして桂は振り返ることなく去った。


——


≪今日は桂に会っていろんなことを聞きました。“神の使い”だって。なんかかっこいい!
 だけど帰ったら土方さんに怒られました。
 何はともあれ! 一歩進めた気がしました。

 とりあえず今日もいい一日でした!≫




「よし寝るか」