二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: 自分探し 【銀魂】 ( No.25 )
日時: 2010/11/30 18:14
名前: 海苔 (ID: ZGo4Gnz1)

桂と会ってから次の日。


土方さんにはめちゃくちゃな言い訳をして、いろんな意味で怪しまれている平和な午後の昼下がり。

午前中には書類の整理が終わって、見回りが(珍しく)ないから沖田さんに剣の稽古をつけてもらっていたときだった。



「死ぬうぇぇぇっ! ひじかたぁぁぁっ!」


パシーンと竹刀の乾いた音がする。


「違う違う。もっと心の底から恨むように」

「ひじかたぁぁぁっ!」


さっきより張りのある音が屯所内に響く。


「竹刀に自分の気持ちをしっかり注入してー」

「ひぃじかたぁぁぁっ!」

「おっ。良くなってきたじゃねーか」

「死にさらせぇぇぇっ!!!」


廊下からバタバタと足音が聞こえてきて、明らかにこちらへと向かってきている。

そして足音は止んで、それ以上の怒声があった。




「うるっせえぇぇぇっ!!!!!」





第十三訓 探しものって意外と近くにあったりする





「ったく、なんなんだ。近所迷惑とか考えたことねーのかお前らは!」

「とりあえず今は土方さんが一番騒がしいでーす」

「香音はだぁってろ!」



また怒られた。


地面の上で沖田さんと正座をさせられていて、足がしびれてきた。大丈夫なのかな。いや、慣れてるのか。

お説教を軽く聞き流し終わったとき土方さんは言った。


「香音。近藤さん探してこい。
 総梧と遊んでいるよりはマシだ」

「ちょ、拒否権は!? いてて……」

「ないに決まってんだろ。場所は山崎から聞け」


しびれは取れないし、用事は押し付けられるし、嫌になってきた。


——


「ここかな……?」


山崎さんから場所を聞いて来てみると、目の前には道場が。とりあえず入ってみるかな。

勝手に中に入ってみると。




なかなか広い庭には、坂田さんと見知らぬ人(×3)と近藤さんがいた。





反射的に隠れてから考える。


えっと……。何から言えばいいのかな?


1、近藤さんがボロボロなことについて
2、坂田さんがいることについて
3、誰がやったんだ
4、あの中華娘とポニーテールの人かわいいな


危ない。自分の気持ちまで入ってる。
とりあえず…………。



ダッシュで近藤さんの元へ駆け寄り、襟首を掴んでそのまま逃走、の予定だった。


ヒュッと目の前に何かが横切り壁に突き刺さる。



長刀だった。



ポニーテールの人が顔に(どす黒い)笑みを浮かべている。




「ちょっと、いいかしら?」




笑みを壊さずに言った。

私は開いた口がふさがらないまま、ゆっくりと頷くのであった。