二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: 自分探し 【銀魂】  −オリキャラ篇− ( No.59 )
日時: 2011/01/11 19:56
名前: 海苔 (ID: 7jEq.0Qb)
参照: 何をしたら俺の心は満たされるのだろう

第二十三訓 パソコンやってると右手が冷たくなるのは私だけか




例えるなら机を真っ二つに折ったのか、はたまた冷蔵庫を投げた音なのかは知らないが。それ相応の音が響き渡る。
何事だ、と誘拐犯たちが騒ぎ出して駆けつけてきた。

刀をすらりと抜き、まっすぐ腕を伸ばす。




「御用改め、真選組藤月隊——参上!」



声を上げて、狼刀の作戦道理に私たちは散らばった。

つーか今の俺きまってた! ちょっと自惚れてもいいよな。
頭の中でさっきの会話がリピートされる。


『簡単に言うと、好き勝手にやっちゃおう』

『えぇぇぇっ!? 引きを取ったのにそれぇ!?』


やっぱ、乗らなきゃ良かった。

目の前にやってくる奴らをかわして斬りつける。
あ、スカーフに血ぃついたわ。落ちるのかなー?

後数メートルで誘拐された女の子の元へ付くとき、荒々しい声が聞こえた。


「てめぇら、刀を置け。さもなくばこいつを——斬るぞ」


そいつは終の首を後ろから腕で捕らえ、刀がギリギリで止まっている。


「終っ!」

「はるかさん、今ここで動いたら終さんがあぶないのであるっ!」

「でもっ……」

「はーぴょん。はるっちの言うとおりだよ。下手するとシューがやられる」


ここで刀を置いたら終が助かるけど。でも、でもっ! このままじゃっ!
唇を噛みしめ途方にくれていたとき、狼刀が小声で言った。


「はるか、ここは奴らの言うとおりにして」

「……え? でも、それだと」

「僕の計算に狂いは無い、だから信じて」

「わかった」


カランと刀の乾いた音がして、奴は言う。


「よかったなぁ。こんないい仲間がいて、ここで死ぬとも知らずになっ!」


やっぱり。どうしよう、どうしよう。

場の空気が変わり、囲まれている。刀は地面にあるのに拾えない。


「おい、譲ちゃん。最後にこいつらに何か言って……」




「あ゛?」




驚くほどドス黒い声が聞こえたような。気のせいか?
しかし、その声は聞き覚えのある声で。


「じょ・う・ちゃ・ん? まさか俺に言ってんじゃねーよな?」


終だった。クールで感情をあまり出さない終がすごい形相で睨んでいる。



そこからの動作は鮮やかだった。

奴のみぞおちに肘をいれ刀を抜き、形勢逆転とはまさにこのこと。
思わず呆けて見ていたら、翡翠に刀を渡された。


そこからは瞬殺で、あっという間に終わった。


——


丁寧に女の子のロープを切りとった。立ち上がって大きく伸びをして時計を見て一言。


「あなたたち今までで一番早く終わった! だから私あなたたちのお手伝いするわ!」


女の子はその場でぴょんぴょん飛び跳ねて、笑っていた。

しばらくして土方さんたちがやってきて話を聞くと。
どうやらこの子は、よく誘拐されるらしい。


「それでいいのか」


ため息をついたら後ろから沖田がやってきた。


「いいんじゃねーの?」

「総梧。狼刀のことありがとう」

「何が。そーいや隊の名前なんだったんでィ?」

「あ、それ俺もききたいんだけど」


裄乃がやってくる。後ろから翡翠、春、終、狼刀と続いて。
てか、あんたら聞いてただろ。私がかっこよく決めたトコだよ。なーんかピク○ンみたいだなー。懐かしい。やったことないけど。


「えっと“藤月隊とうげつたい”っていうの。
 総梧たちが太陽として、じゃあ私たちは月かなーって」

「藤は?」

「字がかっこいいから!」

「やべー、厨二がいるー。おめーら逃げろ!」

「いえっさー!」

「いえっさー、じゃねぇっ!!!」



後日、穂乃嘉が藤月隊に入るのは別のお話ということで。