二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: 自分探し 【銀魂】 −白狐篇− ( No.67 )
- 日時: 2011/01/18 22:24
- 名前: 海苔 (ID: 7jEq.0Qb)
- 参照: 君のための物語を書いてあげよう
第二十八訓 待ち合わせに30分以上遅れたら諦めよう
一瞬でも気を抜いたら足から崩れ落ちそうだった。
目の前が真っ暗になって、急いで穂乃嘉に居場所を聞いた。
思ったほど傷は浅く、命に別状は無いみたいだ。しかし目を覚まさないらしい。
総梧は自室で寝かされているため、そこへと走った。廊下で春が座ってうつむいていた。
「春っ!」
「はるかさん……」
ゆっくりと顔を上げて、ほっとした表情を見せる。
「今どうなってるの? みんなは?」
「土方さんたちは事故現場で情報収集。わがはいたちは沖田さんが目を覚ましたら連絡をするのである」
「ありがとう……。中、入っていいかな?」
「はい」
障子を開けて中に入る。布団の中で静かに寝ていた。
近くで腰を下ろして、自問自答を繰り返す。
俺のせいで総梧が殺されかけた。俺のせいでみんなに迷惑をかけた。
俺が寝なければこんなことにはならなかったのに。自分の不注意で起こしてしまった。土方さんにも“気をつけろ”って言われたのに。俺のせいで、俺のせいで……————。
ポタリ。
目から熱いものが流れ出す。頬を伝い、床へと垂れ染み渡る。
袖で拭うけど、後から後から止めとどなく涙はぼろぼろと流れる。
「うっ……、そ、ごっ……。ごめ、んね。ぐすっ……ごめんね……」
その時。
「何泣いてんでィ。男は泣いちゃいけねーんだろ?」
前をむけば総梧の顔。いつものようにいたずらっぽい口調で、微笑みかけた。泣き顔見られたっ! 慌てて涙をふき取る。
その間に総梧は立ち上がって隊服を羽織り、部屋を出て行こうとしたのを止める。
「そんな体で、どこ行く気なの」
「どこって白狐のところ」
「何言ってんの……!? やられたんだよ? 殺されかけたんだよ?」
腕を掴んで決して離さないようにする。返ってきた答えに対して
「白狐が言ってた。『今夜ここで生きてたらまた会おう』ここまで言われちゃあ行くしかねーだろ?」
手の力が抜けた。