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二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: 自分探し 【銀魂】 −白狐篇− ( No.73 )
- 日時: 2011/01/22 22:21
- 名前: 海苔 (ID: 5kDSbOyc)
- 参照: 君のための物語を書いてあげよう
奴は一体何を考えているんだろう。
人を切って何がしたいんだろう。
そんなの私がわかるわけないけど、1つわかることといえば。
真選組を狙っている、それだけだと思う。
第二十九訓 サブタイトル考えるのは意外と大変
手が離れて総梧が部屋から出て行くのを黙って見過ごせなかった。だから必死に声を振り絞った。
「俺が、行く」
彼が立ち止まる。言いたいことはわかっている。『お前なんかがかなうわけないだろ』。案の定その通りに返された。
「お前なんかがかなうわけないだろ。それにこれは俺が売られた喧嘩でィ」
「この仕事は藤月隊が任されたんだ。部外者に、しかも怪我人に行かせられねぇよ」
キッと目の前にいる総梧を見つめる。怖くなんかない。
「危ない目に会うのははるか、あんたですぜ?」
「……構わない」
そして諦めたのか、ため息をついた。諦めた、というよりは呆れた、の方が正しいと思った。
「奴は……白狐は相当の使い手だった。もしあいつが本気を出したら俺は死んでただろうな」
総梧は包帯を巻かれている肩に目を向ける。その姿がものすごく痛々しく見えて、思わず顔を背けて廊下側を見た。
「場所はどこなの……?」
「3丁目の路地裏」
口調が戻ってきたから落ち着いたんだなと実感して答えを聞いた。
——
そして今。3丁目の路地裏の一歩手前にいる。月は丸く大きく輝いて私を照らす。
ここを曲がれば白狐が——
深呼吸をして落ち着く。手がかりとして持っている刀の柄に力をこめて、角を曲がった。
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