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二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: 自分探し 【銀魂】 −白狐篇− ( No.74 )
- 日時: 2011/01/28 17:37
- 名前: 海苔 (ID: 7jEq.0Qb)
- 参照: 君のための物語を書いてあげよう
第三十訓 ちまちま打ってそれなり三十
沖田の部屋からはるかが出て行ったのとすれ違いに終が入ってきた。廊下では春が土方に連絡をしている。
どうやら様子を見に来たみたいだが、沖田が目を覚まし立っていることに少し驚きの声を漏らした。
「起きて平気なのか?」
「あたりまえだろィ。いつまでも寝てられねーからな」
「ははっ。沖田らしいな」
そう言って腰を下ろす終。続いて沖田も。
「ところで」
先程とは声のトーンが変わり重要なことを話そうとしている。そして小声で囁いた。
「はるはどこへ行ったんだ?」
ただ単に普通に疑いも何もなく尋ねているだけなのだが、その言葉にはどこか重身があった。沖田の脳裏にはただ1つ。
(やべぇな。なんて言うか)
「急いでたみたいで声をかけたんだが無視されてな。沖田知っているか?」
「……いや。別に俺も何も知りやせんが」
とりあえず黙っておくべきだと判断をして嘘をついた。話の内容をを変えるために話題を考えたとき、沖田の中であることが思い返された。
白狐との戦いの中。沖田は押されていて危なかった。
相手は無傷と言っても過言でないのにも関わらず、こちらは隊服がぼろぼろになっていた。
しかし運よく右肩に刀があたった。着物が破れ、中からは皮膚がのぞき一筋の傷ができる。その時、沖田は見たのだ。
初めてはるかと会ったときに見せられた、あの蝶のような痣が——
「どうした沖田? そんな真剣な顔をして」
終の声で現実にもどされた。なんでもねぇと誤魔化して、そんなわけないよなと否定をする。
もし、はるかが俺が出て行った後、起きていたとして。俺を狙っていたというのなら——
(帰ってきたら聞いてみるか)
そのときは、一体俺はどんな顔をするのだろう。
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