二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: 自分探し 【銀魂】  −白狐篇− ( No.88 )
日時: 2011/02/23 17:00
名前: 海苔 (ID: gzQIXahG)
参照: 君のための物語を書いてあげよう

白狐と会って話して引っかかったことがいくつかあった。




——もう一人の君なんだ

——半々ずつ持っている。才能に能力。記憶とか

——攘夷戦争の話を出したときのわずかな動揺


——そして、去るときに言っていた


  『時間切れだね。いつから居たんだか、まったくさ』





第三十五訓 かつぜつって言いにくいよね





白狐が去ってから私は動けずに居た。


このまま真選組へ帰れる?

土方さんには怒られて、総梧にもきっと何か言われるだろう。みんなからは『どこへ行っていた』そう聞かれるに違いない。

今、誰かに何か聞かれても答えられないだろう。頭の中で自分なりに精一杯考えて整理して落ち着いたら帰ろう。

そう思って目を閉じた瞬間、声をかけられた。


「……あれ? そこにいるのってはるかだったりする?」

「え——?」


懐かしいような、久しぶりに聞いたその声。


「さ、かた、さん……」


せきを切ったように、また涙が溢れ出してきてしばらくの間泣いているということに気づかなかった。

夜風にあたり冷たくなったそれは、先ほどと同じように流れ出す。


「え!? ちょっ、はるか!? 俺何した? ねぇ誰か!」

「あ、あぁ。うわっ、うえっ!?」


2人でプチパニックを起こして、しどろもどろしていると。坂田さんが急に手を取って走り出した。


「とりあえず、万事屋来いっ!」

「うあっ、はい!」


涙は自分の意思とは裏腹にまだ流れ続けていた。
万事屋へ行くまで坂田さんはずっと私を引っ張ってくれた。着くと静かに階段を上って、音を立てないようにして扉を開けたのだが。


「ただいぶぐおっ!」


万事屋へ入った途端、坂田さんに襲い掛かるは神楽ちゃん。後ろからは新八が様子をのぞいている。
私に気が付いたのか声をかけようとしたが、涙を流していることに驚きティッシュを持ってきてくれた。何枚かとって目元を擦る。あー、目真っ赤だろうな。


「こんな遅くまでどこ行ってたネ!
 しかも女の子を泣かせるようなマネして何してたアルカ!」

「ごっ、誤解だぶへっ」

「五階なんて……ここは二階アルヨ!」


ボケを入れつつもマウントポジションを取り坂田さんを殴る手は止まっていない。


「神楽ちゃん……恐ろしい子っ!」

「止めろやあぁぁっ!!!」

「そんな反抗期になって。銀ちゃん、マミーは悲しいアル!」

「いつからお前が俺の親になってんだぶほっ」

「神楽ちゃん! それはやばい!」


夜だというのにもかかわらずギャイギャイと騒いだりして迷惑ではないのか。とりあえず私は神楽ちゃんを引き剥がすことを手伝った。


——


「じゃあパジャマは神楽から借りて。あー、布団どーすっか」

「え、いやいや。私、ソファでいいですから!」

「そんなのダメアル! はるかは私と寝るヨロシ」

「いやいや。気持ちありがたいけど狭いでしょ」

「つーかなんで新八。こういう日に限って泊まってくんだよ」

「しょうがないじゃないですか。今日は姉上のお店で打ち上げなんですから」


とお察しの方は分かるであろうか、なぜかお泊りのノリになってしまっています。まぁ、私はいいんだけど……。


「って、よくねえじゃん!」


突然の声に対して、まだ言い合いをしていた三人がびっくりしてこちらを見る。
そんなことももう慣れたので、降りかかる三つの視線を撥ね退けて考える。




連絡しなくていいのかな……と。