二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: HUNTER×HUNTER -太陽は輝く- ( No.4 )
日時: 2010/10/24 19:34
名前: 颯 ◆Qvzaeu.IrQ (ID: w.lvB214)
参照: 参照数なんてきにせず突っ走れッッ!!!!

     【プロローグ】

 どんよりと曇った空の下。ある区域では、人の悲鳴が響いていた。
 家は燃やされて、地面には死体が転がっている。そのしたいほとんど、否、全てに、瞳がない。眼球ごと奪い去られている、と言った方が良いのだろうか。
 血の海が広がる地面は物凄い匂いである。そんな中を、ゆっくりと歩いて行く人物が一人。まだ幼い少女である。


 太陽の光を受けると輝きそうな金色の長い髪は、赤いリボンによって一つに結ばれている。宝石のように綺麗な緑色の瞳は、戸惑いを浮かべている。小柄で可愛らしい顔は蒼白で、ずっと走っていたという事が分かるほど汗が流れていた。
 その少女の後ろには男がいる。真っ黒な髪。それに、闇の様に暗い瞳。コートを羽織っているがそれも黒である。男は不敵に微笑みながら少女を追っている。


「っ……キリがない……っ!!」

 少女は呟くと、その場で立ち止まる。男は驚いたかのように一瞬足を止めたが、再び進む。今度はゆっくりと歩いている。少女も逃げる気配を見せない。
 男はゆっくりと少女の真後ろに立つと、少女を見下ろしながら言う。


「なぜ……逃げない? もう諦めたのか?」
「そんな事ないです。キリがない、と思って、止まっているだけですから、ご安心を」

 少女は冷静な口調で言い放った。途端、少女から膨大な念が出される。男は二、三歩後ろに後ずさりした。ゆっくりと少女は男を見る。


「貴方を倒す。そう決めただけです」
「……おもしろい」

 ククッ、と、男は俯いて怪しげに笑う。そしてゆっくりと顔をあげた。


「俺の名前は、クロロ=ルシルフルだ。お前の名前は?」
「教える権利はない……と、言いたいところですが……。私の名前はエルシェット=ドルメレードです」


 ニッコリと微笑みながらエルシェットはいう。クロロも不敵に笑った。
 刹那、エルシェットは地面をけり、クロロに向かって行く。一、二発拳をクロロに向けるが、あっさりとよけられた。エルシェットは後ろに下がり、念に集中する。


「……光のライトソードっ!!」

 刹那、エルシェットの体から出ているオーラが、剣の形になり、宙に浮かんでいる。何千本とありそうな数である。それを真に受けると、串刺しになって即死であろう。

「……おもしろい能力だな」
「ありがとうございます」


 エルシェットははにかむと、剣をクロロに向かわせる。
 一本、二本とクロロに向かって行くが、クロロは紙一重でそれをよける。しかし、全ては避けきれまい。
 それがクロロの頬をかすめ、そこから血が出た。

「…………」

 クロロは無言でそれを見つめる。痛いのか、どうでもないのか良く分からない。
 その時、クロロは微笑む。エルシェットは反射的に構えた。


「良い能力を持ってるな。……ほしい」
「——っ!!」

 クロロの目が変わった。エルシェットは数メートルクロロから離れる。が、しかし。

「少し交渉をしよう」
「なっ……!!」

 真後ろにクロロは立っている。エルシェットは下がろうとするが、片手を掴まれて動けなくなる。


「お前の力はかなり有力だ。それ以上の力もあるんだろう……?
 ならば——蜘蛛に入」
「お断りですっっ!!」

 クロロがいい終わらないうちにエルシェットは叫ぶ。クロロはため息をつくと、木陰を見つめた。


「……パクノダ」
「はい」

 エルシェットは内心舌打ちをする。仲間が来てしまった、と。
 がしかし、その女性、パクノダが連れている人物を見てエルシェットは硬直した。

「お兄……ちゃん」


 母、父と、両親はこのクロロ達に殺され、瞳を奪われた。
 そして。今は緋の目になっている兄が人質に取られている。頭には銃を押しつけられている。

「さて、どうする。お前が蜘蛛に入るのならば、あいつは解放する。入らないというのならば……殺す」
「お兄……ちゃん」


 エルシェットは呟く。兄の方も必死でもがいているが、力の差が激しすぎる様である。エルシェットは唇をかみしめた。

「……嘘、つかないよね」
「ああ」

 エルシェットはクロロの顔をきっと睨みつけた。


「入る。蜘蛛に入る。だから……お兄ちゃんを解放して……っ!! 私の力がほしいだけなんでしょ!? お兄ちゃんは関係ない!」

「……承知した」

 蝶は、蜘蛛の巣に落ちた。
 
 なぜ彼女たちが狙われているのか。なぜ死体に瞳がないのか。
 それは、彼女たちが——。

「ようこそ蜘蛛へ。エルシェット=ドルメレード
 ……クルタ族の生き残り」

「後で皆に紹介しましょう……」

 最後に見た空は、墨で塗りつぶしたかのように真っ暗だった。

     

     *

  あとがき

駄文です。はい、駄文です。
エルシェットが蜘蛛に入った理由ですね。
ちょっとというかかなり手抜いちゃってスイマセン・・・。
お腹が痛すぎて集中できないんです・・・。

次は4年後の様子。幻影旅団のイメージブチ壊したくない方は見ない方がよいかと・・・。
それではノノ