二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: HUNTER×HUNTER -太陽は輝く- ( No.6 )
日時: 2010/10/23 11:11
名前: 颯 ◆Qvzaeu.IrQ (ID: klNaObGQ)

        ◆第一章

     ■…一話 クロロ×エルシェ×蝶…□


 爽やかな青い空。体に丁度良い体温が心地良い太陽は、春の様に温かく、地を照らしていた。
 町の家々が並ぶ中、廃工場の様な建物の中では、とげとげしい空気が漂っていた。窓から差し込む光は温かく気持ち良いというのに、嫌な空気である。その元凶は、金色の眩しい髪の色をした少女と、毛深い男のせいである。


「だいったいね! ウボォーが悪いのっ! なんで私がそこに置いてた果物食べちゃうのよっ!」

 少女が近くの丸い置物の上を指さしながら言う。男も負けじと言い返す。


「あんな所に置いてあったら誰だって食べるだろうが! よりにもよってこっちは結構腹減ってたんだ!」

 毛深い男と金色の髪の少女は睨みあいながらグルルル言っている。まるで犬同士のくだらない喧嘩でも見ているようである。
 その周りの者達はため息をついている。見慣れた光景、とでもいった方が良いのであろうか。

「ウボォーなんて知らないっ! 謝りもしない!」
「悪かったって言ってるだろ!? さっきから何度謝った事か!」
「謝り方が悪すぎるのっ!!」


 金髪の少女は仁王立ちしながら言う。
 そんな二人を、爽やかそうな印象の青年が止めた。

「もうやめなよ二人とも。僕達はいつまでその言い合いを聞いていればいいんだ」
「だ、だってシャル! ウボォーギンが悪いの!」
「そんな所に果物を置いているエルシェも悪いよ」


 まるで小さい子供を叱るかのように青年はいう。
 少女、エルシェット=ドルメレードはしゅんとなり、小さくなった。エルシェットと言い合いをしていた男、ウボォーギンは、エルシェットを注意した青年、シャルナークと顔を見合わせて苦笑する。


「ウボォーギン。あんたも悪いんだから、もう一回謝っときなさいよ」
「……悪かった」

 紫色の髪をした少女がウボォーギンの方を見つめながら言う。ウボォーギンもしぶしぶ謝った。エルシェットはそれを見ると、ニッコリと微笑む。その笑顔だけで空気が一気に和んだ。


「いいよ。私もごめんね」

 エルシェット=ドルメレード。ウボォーギン。シャルナーク。このメンバーはあるグループの一員である。彼女たち以外にもまだメンバーはいる。
 その名も、“幻影旅団”。親しい物たちなどからは“蜘蛛”などとも呼ばれている。


「あ、そういえばさ。エルシェット、団長に呼ばれてなかったっけ?」
「あ……忘れてた。クロロに呼ばれてたんだ……。じゃあ、ちょっと行ってくるね」

 エルシェットは微笑むと、建物を出る。
 ウボォーギンが座りこみながら言った。

「あいつ……最近やっと笑うようになってきたな」
「そうだね」

 窓からの光が、キラキラと輝いていた。

     *

「ク〜ロ〜ロ〜ッ!!」

 エルシェットは手をブンブンふりながら走っている。その先にいるのは、額に包帯を巻いている男だ。黒髪に黒い瞳。青いスーツを着ている。彼はクロロ=ルシルフル。幻影旅団の団長である。
 赤いリボンを揺らしながらエルシェットはクロロに近づく。金色の髪は、黒いフードに隠されている。


「やっと来たな。今日は、エルシェット。少し一緒に行動してもらいたい。おもしろい物が見れるぞ」
「おもしろい……物?」

 エルシェットは首をかしげる。クロロは優しく微笑むと、エルシェットの頭をなでた。


「まぁ、分かるさ」
「分かった。でも……長い仕事じゃないよね? 私、ヒソカと暇つぶしにハンター試験受ける予定なんだから」
「暇つぶしか……。大丈夫だ。そんなに長引かない」

 エルシェットは微笑むと、歩み出したクロロに並んで歩く。
 その時のクロロの顔は、何かに期待しているかのような顔だった。


    *

  あとがき

はい、やっとの一話です。
次の話で・・・びたみんのセリト=フリティラリアさんが出せると思います!!
いや〜キャラ崩壊がひどい・・・!!ホントに申し訳ありません(´・ω・`)
間違いがあったら教えてください!それではノノ