二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- ポケモン二次創作 【虹色の天空】 ( No.12 )
- 日時: 2010/10/26 22:51
- 名前: 豆電球 ◆Y6CWE4r6bA (ID: sp0cIx.0)
第四章 〜縁舞寿〜
エンジュ「・・・アタシも、お兄ちゃんに付いてく。ね、いいでしょ?」
キオン「!!!」
エンジュ「アタシだって、十歳だから十分たびに出られる。あし手まといにはならないわ!」
キオン「駄目だ!君の力は・・・「トキワの守り人」の力だろう。それは、トキワの森を守るために使うべき力だ。」
エンジュ「!なんでそれを・・・」
キオン「僕と君の力は、似ていると言っただろう?自分の事を調べれば、自然と知った事だ。」
エンジュ「・・・。じゃあ、しっているでしょう?アタシのような力をもってるにんげんは、トレーナーになる事をゆるされない。でも、アタシはひろい世界が見てみたい。この森いがいの世界を!」
キオン「・・・しかし、君の親はどうなんだい?反対するだろう!?」
エンジュの瞳が揺れる。
エンジュ「・・・アタシには、両親はいない。おじいちゃんと2人暮しよ。おじいちゃんは、アタシとおなじ力をもってるわ。いまの「守り人」はおじいちゃんがひきついでる。」
キオン「君は、「守り人」の後継者。ならば尚更の筈。僕なんかと旅しちゃいけないだろう?」
エンジュ「・・・ほんらい、アタシ達はパートナーポケモンさえも持つことができないのよ。」
キオン「・・・・・」
エンジュ「おねがい。どうせ、二年後にはおじいちゃんのあとをついで、「守り人」にならなくちゃいけないんだから。そのあいだの二年なんていわない。たった、二か月でいい。」
キオン「僕の旅には、目的があるんだ。一つは、カントーのジムリーダーとの対戦。」
エンジュ「・・・?」
キオン「二つ目は・・・僕のこの「力」を消す方法を探しに来た。」
エンジュ「!?」
ポケモンリーグ
キョウ「・・・」
シバ「・・・リオンは・・・今何処にいるのだろうか・・・?」
キョウ「さあ。俺は知らないさ。」
シバ「俺は、リオンが誘拐される前に最後に会った人間だ。・・・その事について、言及しないのか?」
キョウ「じゃあ聞くが、俺がリオンに会った最後の人間だったら、お前は俺を疑うのか?」
シバ「いや、そうじゃない。勿論俺は言及しないが。俺が言いたいのは、リオンの言動だ。」
シバは、言葉を一つ一つ選びながら話す。
キョウ「それは、どう言う事だ?」
シバ「話せば、長くなるが・・・」
いつの間にかリオンが誘拐されてから、まるっと二週間もの時間がたっていた。
二週間前、リオンが誘拐される直前。シバとの最後の会話。
シバ「お、チャンピオン。どうした?」
リオン「シバさん・・・いえ、何も。」
三年前にチャンピオンとなった、少女。彼女には似合わない不振な顔だ。
シバ「・・・悩み事か?俺に出来る事なら何でも言ってくれ。出来る限り協力する。」
子どもとはいえ、もう十七歳の立派な処女である彼女。恋の悩み事でもあるのだろう。
そんな、簡単な気持ちからの一言だった。が、
リオン「シバさんは・・・私みたいな力・・・欲しいですか?」
彼女の口から飛び出したのは、その年頃の娘が本来抱える筈の無い、とんでもなく大きな事であった。
シバ「・・・。何故今聞く?」
リオン「何となく、では駄目ですか?」
シバ「・・・いや。そうではないが。急、だったからな。」
リオン「そうですか。」
シバ「何が目的だ?」
リオン「子どもの単純な好奇心ですよ。私には常人には無い、力があります。もし、貴方が私と同じ力を持っていたら・・・と思っただけです。」
シバ「・・・そうだな。やはり、良い事この上ないと思う。我が手持ちとも、仲良くなりやすい。」
リオン「ふふ・・・やっぱり。でも、確かに「後天的に」この力を手に入れていたら、そうかもしれないですね。」
シバ「・・・後天的に?」
リオン「はい。人という物は、生まれてから身に付いた力は後生大事にしますよね。それが多大な金額や、巨大な権力もしかり。」
シバ「・・・」
リオン「しかし、私の持つモノは「先天的な物」です。それは時として、その者に尋常で無い負担が掛かる物なんですよ・・・シバさん。ご存知でした?」
シバ「・・・」
リオン「どうしました?私が来てから、貴方はリーグきってのお喋りさんになった筈でしょう?」
シバ「あ、ああ・・・まさか、一回りも幼い、お前から哲学を叩き込まれるとは。」
リオン「・・・哲学・・・そうですか?私は思った事を口にしただけです。」
キョウ「・・・リオンは、力についてそんな風に語ったのか・・・。」
シバ「ああ。その時は、真剣にただ哲学を語っているとばかり思っていたのだが。」
キョウ「リオンは、力を求めては決してなかった。もしかして、今も・・・」
トキワシティ
キオン「・・・僕、おかしな事言ったかい?」
エンジュ「ううん。アタシと同じね。お願い。つれてってください。料理はできるわ。」
キオン「・・・分かった。でも、君は二ヶ月間だけ。見ず知らずの人間についてくなんて今回だけにして置いてくれよ。」
エンジュ「はい!よろしくお願いします!お兄ちゃん。」
キオン「・・・キオンでいいよ。エンジュちゃん。」
次回へ続く