二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- ポケモン二次創作 【虹色の天空】 ( No.122 )
- 日時: 2010/12/17 21:06
- 名前: 豆電球 ◆Y6CWE4r6bA (ID: sp0cIx.0)
第二十七章 〜宇に魅される処にて〜
八番道路。
ギンガ「さて・・・俺達は、リオンの足取りを掴みに来た。そして、エリカさんから二つの街の情報を貰った。」
エンジュ「はい。近いほうからまわることになったけど、ミウタウンなんて聞いたことないですよ?」
そんな街があるのか?誰もが疑問に思っても仕方ない。
何故なら、ミウタウンとショウエンタウンはどちらも、作者の完全なる妄想劇デスマス!←新ポケ名前引用。
エンジュ「ちずには・・・。すこしじゃがんで下さい。アタシもみたいです。」
ギンガ「あ、ごめん。ほら。」
キオンと旅していた時は、さほど無かった伸長差。(仕方ないの。だって、女の子だからッ!)
本当の意味でお兄ちゃんな、ギンガとは泣ける程の差があった。(ギンガがでかいのも一理ある。)
ギンガ「どした?」
エンジュ「・・・どーやったら、そんなに大きくなれるの?アタシ、おおきくなりたいの!」
ギンガ「今は関係ないだろう。ミウシティは確か、もうすぐだと聞いたな・・・」
エンジュ「ケチー!!じぶんが、おっきいからってジマンするぅー!!」
ギンガ「あのなぁ・・・今は、リオンを救出する事が先決だろう?事件が終わったら、いくらでもおしえてやる。な?」
エンジュ「・・・わかりました。お姉ちゃんが先だもんね★」
ギンガ「何?その黒星はっ!?」
エンジュ「さーね、じゃいこ!」
ギンガ「リオンは、随分マイペースなコと、旅をしてたんだな・・・」
八番道路からは、シオンタウンに繋がっている。しかし、少しだけ本来の道を外れると草むらを進んでいく事になる。
そして、草むらを掻き分け進む事、数時間。急に、開けた広場に出た。
人影は無いが、明らかに人の手入れが行渡っている。これで、ここ辺りに人がいる事は分かった。
ギンガ「ドンカラス!人が居ないか探してきてくれ!」
エンジュ「わ〜ヤミカラスの進化形?カッコイ〜!」
ギンガ「あと・・・チョキ、出番だぞ。」
ギンガが取り出した、一つのモンスターボール。宙に向かって大きく投げた。
チョキ「フィ〜!」
エンジュ「うわ!え〜っと・・・トゲキッス?」
ギンガ「正解。コイツは、リオンの手持ちなんだ。色んな技を覚えてるから、万能選手なんだ。」
エンジュ「お姉ちゃんが育てたポケモン・・・」
チョキ「フィ?」
ギンガ「この子はエンジュ。リオンと旅をしていた子だ。実力はリオンが認めただけあって、中々だぜ?」
エンジュ「チョキは、何をいってるんですか?」
ギンガ「・・・驚いてるな、かなり。リオンが認めたって辺りが。」
エンジュ「アタシ、認めてもらったってわけじゃないんですが・・・」
ギンガ「って・・・話反れてるって。チョキ、ドンカラスと人が居ないか見てきてくれ。」
チョキ「フィ〜♪」
エンジュ「お兄ちゃんも、リオンお姉ちゃんとおんなじ力をもってるんですよね。」
ギンガ「ああ。ま、リオンの方が格上だがな。」
更に奥に進む。すると——
小さな家が幾つも列なる、町に出た。
ギンガ「ここが、ミウタウン。宇に魅される処、と言われているらしいな。」
エンジュ「あ、もどってきた!チョキ〜!ドンちゃん!」
モンスターボールに、二匹を戻す。あんまりなニックネームに物申すギンガ。
ギンガ「あのさ、勝手にニックネーム付けないでくれる!?」
エンジュ「ついクセで。」
一言で片付けられた。旅を共にすると、性格まで似てくるのか・・・
ギンガ「・・・」
???「何者だ!」
ギンガ「おっと、第一町人発見。僕ら、たまたまココに来た、旅人なんです。」
町人「・・・こんな所、観光ではこないよな。何が目的だ?」
エンジュ「なんですか!そんないいかた・・・」
ギンガ「エンジュちゃん。大丈夫だから。」
自信ある言い方に、リオン(キオン)の面影を重ねる。頼っても大丈夫。自分の中で答えが出る。
エンジュ「・・・はい。」
満足そうに頷き、町人の方に振り返る。
ギンガ「僕らは、あるお方の依頼でこの町に来ました。詳しくは、この町の責任者に通して頂けます?」
町人「子どものクセに、随分とご立派なこった。」
エンジュ「お兄ちゃんは、もう十八です!」
町人「ふん、まあ良いだろう。町長に通してやるよ。」
ギンガ「どうも♪」
その頃。
リオンは、前と同じ無機質な空間に一人でいた。今は———誰も居ない。
敵である、唯一の人間も、今は居ない。いない事に意味がある。
リオン「・・・」
誰も居ないと言う事は、話す事も見る事も・・・感じる事も、しなくて済む。
と、言うよりは出来ない。
リオン「・・・」
いつからだろう、こんなにも全ての事にやる気が発起しないのは・・・
リオン「前は・・・こんな事無かったのに・・・」
無条件に、ネガティブ思考に陥る。人間の性であろう。
どこか、虚ろげな目・・・金の光も、濁っている。
リオン「私ハ、コノ世ニイテモ何モ・・・」
イミガナイニンゲン・・・
サカキの思惑は、ここにあった。
逃げる事が出来ない、何も出来ない閉鎖空間に人を放り込む。孤独しか与えない。
そうすれば———
そこに居る意味も、呼吸する意味も、生きている意味さえ無くなった、と感じてしまう。
この状態になれば、思うまま『操る』ことも可能だ。
サカキ「さて、力を頂くとするか・・・」
どこまでも、悪党である。
次回へ続く