二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

ポケモン二次創作  【虹色の天空】 ( No.124 )
日時: 2010/12/19 23:51
名前: 豆電球 ◆Y6CWE4r6bA (ID: sp0cIx.0)

第二十八章 〜鍵を握る生き物〜

ミウタウン、町長の家
この町の責任者らしい、一人の男性の前に出た(と、言うよりは突き出された。)2人。
恰幅さは皆無で、むしろウツギ博士に近い印象の人である。
町長「旅の方、町の者がいきなりのご無礼を働いて、申し訳ありませんでしたな。」
ギンガ「いいえ、僕達も、いきなり押しかけてしまって・・・すみませんでした。」
エンジュ「ごめんなさい。だでも、このひとたち、お話きいてくれないんですもん。」
ギンガ「エンジュちゃん。僕らがここに来たのは、あることを調べに来たからなんです。」
町長「詳しく聞かせてもらえないかい?」
ギンガ「それでは、こちらをご覧下さい。」
ギンガが鞄から取り出した物は、エンジュにも見覚えのあるものだった。
エンジュ「え?お姉ちゃんのポケモン図鑑?どうしてここにあるの?」
てっきり、持って行っちゃったと思ってたのに。呟くエンジュを余所に話が始まる。
ギンガ「俺が見せたいのは、この図鑑ではありません。あるポケモンのデータなんです。」
そういって、リオンの図鑑を操作すると、一匹のデータが出てきた。
『新種ポケモン ミュウ』
町長の顔が一瞬だけ固まるのを、ギンガは見逃さなかった。
ギンガ「お心当たりがあるようですが?」
町長「いや、見た事無いよ。こんなポケモン。」
エンジュ「かわい〜!どこに生息してるの?」
ギンガ「うん?このポケモンは、幻のポケモンと呼ばれている。だから、生息地は不明となっているよ。」
エンジュ「まぼろしのポケモン!?なんで、お姉ちゃんの図鑑に、のってるの?」
ギンガ「そんなの決まってるだろ?リオンは、このポケモンと遭遇してるんだよ。」
町長「!?」
今度は町長のみならず、子ども以外の全ての人間が一瞬固まる。
エンジュは、そこでギンガがニヤリ、と笑うのを見てしまった。
ギンガ「では、彼女がなぜ幻と呼ばれるポケモンを、図鑑にデータとして収めたか。その経緯をお話します。」
ま、これは俺が直接聞いたものではありませんが、と前置きをし、語り始めた。

以下、回想シーン。(時間は、リーグ戦後の設定w)

最果ての孤島

その島の本来の名を、知っている人間は居ない。ポケモンでさえ、知らない。
しかも何年かに一度しか、その姿を現すことは無い。因みに、他の地方にも似たような島が存在する。
気候上の関係なのか、はたまたその島を守っている、あるものの仕業なのか・・・
実に十年ぶりにその島が見つかったと報告を受け、「調査」という名目で、一人の少女がその地に降り立った。
彼女の名は、リオン。
先日、ポケモンリーグの頂点に立った、実力のあるトレーナーだ。
とは言うものの、実際はオーキド博士に泣きつき(詰め寄り)スタッフの一員にして貰ったのだった。
何故、こんなにも付いて行きたがったのかは、本人しか知らない。
ただ、これは彼女が最初で最後に行った「立場を利用する」行為であった事を、ここに記しておこう。

最果ての孤島、奥。
その少女は、ある文献の内容を忘れる事が出来なかった。
『全てのポケモンの祖先である、そのポケモン。全ての技を覚え、最強の力を持つ。』
『しかし、あまりに強いその力、人間の一部が己の欲のために利用するようになった。』
『人間を疑う事を知らなかった、そのポケモンの種は乱獲され、いつの間にか人間の前から姿を消した。』
図鑑の画面に、研究所にあった文献の表紙を映し出す。様々な文様の中心には、不思議なポケモンの姿。
リオンは、そのポケモン『ミュウ』が絶滅したとあった、文献をどうしても信じる事が出来なかった。
理由も根拠も、全く存在しない。だから、調べに来たのである。
存在を知ってからというもの、時間が許す限りジョウトの全てを回り、探した。
しかし、存在どころか名前すら知らぬ人ばかりでちっとも手がかりを掴む事が出来なかった。
リオン「よく分かんないけど・・・私はこのポケモンに会いたい。」
その時、神様が一つの奇跡をくれた。

『清らかな心と会いたいという強い気持ちを併せ持つ者の前にのみ、姿を現す。』
閃光と、言うよりは暖かい、太陽のような光に包まれた。
ミュウ「貴女ね。私に会いたがった人間は。」
リオン「は、はい!」
ミュウ「あら、私の言葉が分かると言う事は、『伝エル者』ね?」
リオン「そ、そうです!あ、あの・・・アナタに関しての文献を読みました。本当に人間の乱獲のせいで、あなた方の種族が絶滅しそうになったのですか?もし、そうならば——」
ミュウ「そんな、数十年前の事。今は、細々だけど、数は増えつつあるから、大丈夫。」
リオン「私達人間のせいで・・・ごめんなさい!」
ミュウ「貴女がした事でもないのに、なぜ謝るの?」
リオン「私がアナタに会いたかった理由、分かりました。謝りたかったんですね。私達のせいで、ごめんなさいって。」
ミュウ「・・・不思議な子ね。」
ミュウの、瞳が光った気がした。それからの事は、何も覚えて居ない——

回想シーン終了
ギンガ「——だそうです。」
町長「そ、その話が何故私達に、関係が?」
エンジュ「そうよ!それじゃ、お姉ちゃんがミュウにあっただけじゃないですか!?」
ギンガ「そんな事、決まっているではないですか。ミュウの乱獲の、首謀者が・・・」


はいはい!文字数限界!と、言う事で
次回へ続く