二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- ポケモン二次創作 【虹色の天空】アンケート中です。 ( No.157 )
- 日時: 2011/01/06 00:17
- 名前: 豆電球 ◆Y6CWE4r6bA (ID: sp0cIx.0)
第三十六章 〜化物現れし〜
三十三章の続きだと思って下さい。
エンジュシティ、鈴の塔最上階。
銀の光と共に、その地に降り立った者が一人。
ワタル「ここが鈴の塔・・・始めて来たな。」
ルギア「ホウオウ!私です。重要な話があるのですが。」
程無くして、金の光が舞い降りた。光が収束する頃には、黄金色のポケモンが居た。
虹色ポケモン ホウオウ。別名虹の神。
ルギアに負けないほど美しく、翼などは七色にも輝き、生き物とは思えぬ程。
ホウオウ「何事ですか?貴方が私を呼び出すなんて・・・」
ルギア「・・・それは、彼の記憶に聞いて下さい。彼はワタル。前々回のリーグチャンピオンだそうです。」
ワタル「お初にお目にかかります。私、フスベシティ出身のワタルです。」
ホウオウ「ああ、リオンが言っていた、あのワタルさんですか。」
ワタル「はい。彼女に何が起こっているかを、お伝えしに参りました。」
ホウオウ「・・・!」
ルギア「私が記憶を頂いた時、あの御方のデータがピックアップされていました。」
ワタル「そこからは、直接記録を贈送った方が宜しいかと思うのですが・・・」
ホウオウ「しかし、貴方は限界でしょう?ルギアから送って貰いm」
ワタル「それじゃ駄目なんです!俺自身が伝えないとッ!これが、俺の役目だから・・・」
ルギア「何でそんなに拘るのか分からないですが、いいでしょう。」
ホウオウ「無理は為さらないで下さいね。貴方に何かあったら、【伝エル者】達に何と言ってよいか・・・」
ワタル「存じております。では・・・いきますよ。」
前回同様、伝えた瞬間に意識が途絶えてしまった。【伝エル者】達は、いつもこんな風に、ポケモンと会話しているのかと思うと、正直胸が痛む。
それも、まだ子どもなのにも関わらずだ。今まで、己ら大人がどれ程無力だったのかを、思い知らされる。
ホウオウ「やはり・・・気を失ってしまいましたね。」
ルギア「無理もないです。力が無いのに、我らと意思を一つにしたのですから・・・」
ホウオウ「・・・ルギアの言う通りでしたね。この記録——」
ルギア「ええ。まさか、組織の連中、我等の力が手に入らないと思ったら、すぐに新たな行動に移りましたね。」
ホウオウ「しかし、【生命の神】に手を出すなど・・・罰当たりめ・・・」
ルギア「まだ未遂ですよ。ですが、このままでは確実に・・・」
ホウオウ「ええ。この世界の破滅が予測できます・・・」
ルギア「本当に、人間の考える事は分かりません。ある者は我らを利用しようとするし、またある者はその者から、我らを守ろうとする・・・人間って、不思議な生き物ですよ。」
ホウオウ「人間からしたら、我等も十分、不思議な生き物なんでしょうねぇ。」
ルギア「それにしても、このポケモンは一体・・・?」
ワタルの記録の中にあった、一匹のデータ。【生命の神】に似た外見を持つ、生き物。
それも、今現在は『うまれていない』。しかし、データから底知れぬ力を持つものだと認識できる。
これから『うまれる』であろう、その命。本来ならば、命の誕生は何よりもありがたきもの。
しかし、その生き物だけは———
【ウマレテハイケナイ、ウマレルベキデナイ、化物】
この青年が持ち込んだ物だけが、真実ではない。しかし、ここまで誕生が疎ましい生き物は初めてだ。
神として生を受けた己でさえも。
彼の記録の中では、こう記されていた。
———【生命の神】である『新種ポケモン ミュウ』の遺伝子を組み替え、とある人間の遺伝子と組み合わせる事で、最強のポケモンが生まれる。
しかし、強くなりすぎる力。我々では制御しきれぬだろう。
そう、この生き物は・・・生まれながらにして【化物】になるのだ。
【生命の神】は、心が純粋な者の前にしか現れない。それは、己の力が分かるから。
他を傷付けることを、何よりも嫌う種族だから。
新たに生まれし【化物】———
戦う事だけを目的とし、戦い周りを傷付ける事でしか、関わる事が出来ない、孤高の存在となる。
【生命の神】を親に持つ【化物】。
皆を慈しみ、常に護る【生命の神】。皆を忌み嫌い、常に傷付ける【化物】。
両極のように反発し、惹かれあう事のない存在。
新たに生まれし、生き物。名は『遺伝子ポケモン ミュウツー』
ホウオウ「———。ミュウ様の遺伝子を組み替え、最強のポケモンを創りだす・・・」
ルギア「ほぼ、完成しかかっている『ミュウツー』。」
ホウオウ「至上最悪の戦いになるだろう・・・」
ルギア「しかし、生まれてくる生き物を、生まれる前に殺めるなど・・・」
ホウオウ「出来ぬ、そんな事。特に【伝エル者】にはさせてはならないです!」
ルギア「ええ。何とか、解決策を見出さないと・・・」
ホウオウ「至急、エンテイ、ライコウ、スイクンを呼び出しましょう。」
ルギア「リオンの足取りを探らないと、全ては始まらないし、終わらない。」
ホウオウ「では、あの三匹にも応援を要請しましょうか。」
ルギア「そうですね。ファイヤー、サンダー、フリーザーにも。」
ワタルは、今だ気絶中だった・・・
これから、カントー全土を巻き込む惨事になる事が起きようとしている・・・(仮定)
次回へ続く