二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- ポケモン二次創作 【虹色の天空】アンケート中です。 ( No.208 )
- 日時: 2011/01/23 22:17
- 名前: 豆電球 ◆Y6CWE4r6bA (ID: sp0cIx.0)
第四十六章 〜ヤハリ私ハ、異分子〜
前回同様、ミュウツーと、ウインディの戦う条項は変わらない。ただ、ウインディの方が有利だと言う事は、前回とは全くもって違う箇所である。
ギンガ「今、リオンはポケモンと意思疎通が出来る力が無い。それでも、普段と変わらず戦えてる。」
N「私ガ居ナクトモ、リオン様ハ全然強イ。私ハ、イラナイノデスカ!?」
自身が居なくとも、アホ程強いリオンにショックを受けたらしい。愕然とする。
サトル「確かに、無くても普段とあんまり変わらないよな。必殺技決めるとことか。」
ギンガ「サトルっ!」
無くても普段と変わりない。閻魔大王から、地獄行きを告げられたかのような絶望感が襲う。
そうだ。彼女は、三年前の旅の時からあまり力を使用しなかった。そして、チャンピオンになってからは更に輪をかけて、己が登場する事が少なくなっていた。
昔——まだ、リオンが十にも満たない頃。まだ、己が一番必要とされていた時間。
N「昔ハ、私ガ居ナケレバ・・・独リキリダッタノニ。」
リオン「・・・」
サトル「そんな・・・」
孤独な幼きリオン。いつも独りで泣いていた。慰めていたのは、己の力を使い心を通い合わせたポケモンのみ。
親でさえも不可能な事を、力を司るNだけが出来たのだ。
それなのに。
N「イツノ間ニカ、私ガ居ナクトモ仲間ガ出来テ。仲間ガ出来タカラ、私ハ用無シ・・・」
リオン「そんな事——」
反論できない。流石自分。痛い所がよく分かっている。仕方なかった。昔は、それしか方法が無かった。
周りに、同じ人間が居なかったから。誰も、自分の苦しみを理解してくれなかったから。
でも、今は違う。全く同じ力を持つ仲間が居る。力はなくとも、支えてくれる仲間が居る。
リオン「貴女も、分かってる筈よ!」
それだけは、誰が何と言おうと唇に乗せる事が出来た。
リオン「——確かに、私は貴女を必要としていなかったわ。私である、貴女には嘘を付けないもの。」
N「ナラバ、何故私ノ邪魔ヲ!!」
必要として居ないなら、捨て置いて欲しかった。それなのに、まだ捨てて欲しくない気持ちもあった。
リオン「聴いて。貴女は私であって、私も貴女。思念体なのだから、当然よね?」
N「・・・」
この話の間、ミュウツーも、はやてもどう戦っていいのか分からなくなっている。先程よりも動きが遅い。
サトル「指示者がいないと、こうも変わるものなのか・・・」
ギンガ「水を差すようですまない。リオン、戦いは・・・」
リオン「ギンガ、貴方に託すわ。お願い、必ず・・・!勝って。信じてるから。」
サトル「俺はー!?」
ギンガ「・・・俺はリオンと違って、力を使うぞ。それでもいいのか?」
リオン「力があるからこそ出来る戦いを、して欲しいの。今の私じゃ出来ない。力がある貴方しか。」
ギンガ「・・・そうか。分かった。俺の持つ全て——力だけじゃなく、心、意思、知識も全て使って戦う。」
リオン「ギンガ・・・ありがとう。」
サカキ「N!もういい!俺がミュウツーを指示するからな!」
N「サカキ様・・・」
リオン「戦いは、あの親子に任せて、私達は私達の戦いをしましょう。
N「・・・」
サカキ「ギンガ、お前と戦うのは久々だな。どれだけぶりだ?」
ギンガ「・・・三年ぶりだ。それも、まだロケット団が活動を再開していなかった時だ。」
サカキ「くっくっく。そうかそうか。では、それなりに強くなってるのであろうな。」
ギンガ「お互い、自分の手持ちでないポケモンで戦う。中々、フェアじゃねーか。親父の割には。」
サカキ「想定外だったがな。まあいい。行くぞ。ギンガ。」
ギンガ「負けねえ。なにがあっても、お前だけには。」
サカキ「元トキワジム、ジムリーダーだぞ?侮るんじゃねーよ☆」
ギンガ「誰が。はやて!」
サカキ「ミュウツー!」
リオン「さて、聞いてくれるかな?私の気持ちを。N。」
N「・・・」
リオン「いーから、いーから♪」
N「軽イ・・・ソレモ私。」
リオン「そうよ。私は、心、意思、知識。そして貴女・・・『力』で成り立ってるの。貴女がいなければ、私は『リオン』に戻れない。それに、確かに『力』は、あまり使わないようにしていたし・・・消失させたいと思ってた。」
N[・・・」
リオン「でも、貴女が嫌いだから消失させようとしていた訳じゃない。」
N「嘘!」
リオン「聞いて!私の心が弱かったから。人と違う、異分子である自分を認めたくなかったから。」
N「イブンシ・・・」
リオン「これは——・・・私の我儘、弱い心が悪かったの。独りぼっちだったのは、異分子扱いされるのが嫌だったから、人と関わろうとしなかったから。逃げていたから。」
N「ソレハ知ッテイル。」
リオン「そうでしょう?私は弱い。物凄く。弱さを誤魔化す為に、格闘術を身に付けたの。」
N「・・・」
リオン「でも、それじゃ駄目だって、サトルが教えてくれた。私と同じ、ギンガも教えてくれた。」
人は、繋がりがないと生きていけない。『仲間』は、その繋がりの最小単位。
全ては、仲間を信じる事から始まる。
リオン「今まで、私は貴女に相当酷い事をしてきたわ。それは、一生を賭けて懺悔する。だから、私にもう一度だけ、チャンスをくれない?今度は、逃げない。何があっても。」
N「ナニガアッテモ・・・」
次回へ続く
遅くなって申し訳ありませんでした!