二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- ポケモン二次創作 【虹色の天空】アンケート中です。 ( No.214 )
- 日時: 2011/01/25 21:24
- 名前: 豆電球 ◆Y6CWE4r6bA (ID: sp0cIx.0)
第四十七章 〜もう大丈夫〜
リオン「もう、何があっても逃げない。だから、もう一度だけチャンスを頂戴?」
N「・・・リオン様・・・」
リオン「実はね、私がここまで正直になれたのは・・・先に戻った、R.I.Oのお陰なの。」
N「三人ガ・・・?」
リオン「ええ。RとIは、すぐに私に戻ってくれたんだけどね・・・」
以下、回想シーン。
無機質な、メインコンピュータ室に眠っていたリオン。二人が戻り、人間としてジガを取り戻したものの・・・
リオン「ここはどこなの・・・?」
知識を司るOが居ないので、ここがどこかが分らない。己が誰かぐらいは理解できるが・・・
リオン「かんがえられないよ〜・・・」
記憶喪失でもないのに、何が何だか分らない。今のリオンは、幼子に戻ってしまったようである。
しかも、動けない。だが、『金縛り』と考える事も出来ない。リオンの頭脳は空っぽだった。
そこに現れたのは、自分にそっくりな女の子。ではなく、鏡に映したかのような姿。
リオンの片割れの一人、知識を司るOであった。
リオン「私・・・?」
O「・・・」
睨んできたが、何が何だか分らないリオンは、どうして良いか分らずとりあえず微笑んでみた。
O「!!何デスカ!ソノ余裕ハッ!!」
逆鱗に触れたらしい。物凄い野次が返ってきた。
リオン「わわっ!ごめんなさい!私、ここがどこかわからなくて・・・」
O「・・・成程。私ガ居ナイカラ、何モ理解出来ナイノデスネ。」
リオン「それで、アナタはだれなの・・・?」
O「私?私ハ、リオン様デアリ、リオン様ハ私ナノデス。」
普段の彼女なら、すぐに理解できたであろう。しかし——
リオン「アナタは私?私はアナタ・・・?ふぇ?ど、どういうこと・・・?」
O「私ハ、リオン様ノ知識ヲ司ル、Oト申シマス。私ノ他ニ、R.Iガ居マシタ。貴女様が、自我ヲ取リ戻シタノハ、彼女達ガ貴女ノ中ニ戻ッタカラデス。」
リオン「ええ?私って、三人もいたの?すごいや。」
O「違ウ!マダ、モウ一人イルノデス!!」
リオン「!?」
O「・・・失礼。少シ取リ乱シタダケデス。トニカク、モウ一人イルノデス。彼女ハ、今モ戦ッテイマス。」
リオン「・・・」
O「貴女ノセイデ。」
リオン「え!?私のせい?な、なんでー!?」
O「私達ガ別レルマデノ貴女ハ、N・・・力ヲ決シテ必要トシナカッタノデス。」
リオン「力?」
O「貴女ニハ、ポケモント話セル「力」ガアルノデス。他ノ人トハ、違ウ『異分子』ニナリタクナカッタノデショウ。」
リオン「いぶんし・・・?」
O「他ノ分子トハ違ウ、分子ノコトデス。分子ハ皆ト同ジデ、同ジ動キヲシナケレバ役ニ立タナイ。」
リオン「ぶんし?やくにたたない?」
そうだ、リオン様。そのまま、己を追い詰めるが良い。ずっと、自分達を苦しめてきたのは、貴女なのだから。
己を極限まで追い詰めて、朽ち果てるが良い。その方が自分も、Nも幸せだ。
リオン「・・・」
O「例エ、今ノ貴女ガ、コノ事ヲ理解デキナクテモ、言イ訳ハ聞キマセン。」
リオン「そうよね。いまは、むずかしいことはわかんないけど・・・」
O「?」
リオン「私が、アナタたちをきずつけたのには、まちがいないんだから。あやまらなくっちゃ。」
O「・・・!」
リオン「今まで、私は貴女達に相当酷い事をしてきたわ。それは、一生を賭けて懺悔する。だから、私にもう一度だけ、チャンスをくれない?今度は、逃げない。何があっても。」
O「!!ヤメロ・・・!」
リオン「!?ちょっと・・・!だいじょうぶ!?」
O「ココデ認メテシマエバ、Nヲ独リニシテシマウ・・・!ソンナ、ソンナノ・・・イヤァァ!!」
リオン「・・・貴女が、私に戻ってくれたら、N?さんも一緒に私に戻すわ。だから、私に力を貸して。」
O「・・・本当デスカ?モウ二度とト、力ヲ消失サセナイト誓ウノデスカ?」
リオン「うん!まだ、難しい事はよく分からないけど、必ず・・・!」
O「・・・分カリマシタ。戻リマショウ。今度ハ・・・Nヲ救ッテクダサイ!」
そのまま、虹色の光に包まれ、気が付いたら記憶も、知識も完璧に戻っていた。
回想シーン終了(長っ!)
リオン「まだ、信じては貰えないと思うけど・・・」
N「Oガ・・・私ノコトヲ・・・」
リオン「だって、Rも、Iも、そしてOも私だもの。貴女も私。心配しないはずがないわ。」
N「今度は、消さないでくださいね・・・?」
気持ちが篭っていない様な声が、綻んだ。瞳にも、光が宿っている。
もう、大丈夫。
今度は、何があっても一緒に居る。私には彼ら以外にも、大事な仲間が居たのだから・・・
心、意思、知識、力——。
四つに分けられた『リオン』は、今やっと元に戻った。
虹色の光が、Nを包む。そして、眩いばかりの日の光。金も。ゆっくり、薄くなっていくN。
消えて行くほど、自分に力が戻っていく。それが、少し寂しかった。
次回へ続く