二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: ポケモン二次創作 【虹色の天空】 ( No.47 )
- 日時: 2010/11/08 23:45
- 名前: 豆電球 ◆Y6CWE4r6bA (ID: sp0cIx.0)
第九章 〜動き始めた時間〜
ワカバタウン、ウツギ研究所
ウツギ「それは本当ですか!・・・はい、はい!ぜひお願いします!では、接続しますね。」
先ほどから、ウツギ博士の機嫌がかなり良い。ずっと、パソコン画面の相手と会話している。
サトル「・・・どうかしたんですか?」
臨界点突破状態は収束したらしいが、今度は超絶弱気モード突入中らしい。
ウツギ「丁度良かった!サトル君!コレを見てよ!」
呆然としながらも、パソコン画面に向かい、テレビ電話のスイッチを入れた。
???『・・・よお、久しぶりだな。元気だったか?サトル。』
画面に現れたのは、懐かしくもあり、新鮮でもあり、ずっと音沙汰無だった、彼の姿。
随分大人っぽくなったが、今も昔も変わらない・・・紅い髪に、銀の瞳が何よりの証拠だった。
サトル「お前・・・ギンガ・・・だよな?」
ギンガ『ああ。長い間お前らに、ずっと迷惑をかけた。すまなかったな。』
サトル「・・・本物?まさか、偽者・・・?」
ギンガ『喧嘩売ってんのか?本物だっつーの。無愛想で、素直じゃねー。紛れも無く、ギンガだ。』
ウツギ「ね!?いやはや、本当に良かった!僕達、ずっと待って居たんだよ。」
サトル「ギンガ!バクフーン達、ずっと待ってたんだぞ!ほら!皆、挨拶しろ!」
バクフーン「バク!バクフーン!!」
ギンガ『お前達・・・元気そうで良かった・・・本当にすまなかった。』
ウツギ「今は、謝るよりも笑ってあげるだけでいいんだよ。」
サトル「・・・ちょっとまて!そこは刑務所か?」
ギンガ『・・・何を言っている。刑務所にはテレビ電話なんて物はねーぞ。』
ウツギ「そう!つい、一昨日に釈放されたんだって?何で、当日に教えてくれなかったんだい?」
ギンガ『あー、それは・・・一身上の都合がありましてね・・・』
サトル「一身上の都合?」
ギンガ『そ、それより!アイツ・・・は元気なのか?チャンピオンになったって聞いたんだが・・・』
ウツギ(ああ!!忘れてたぁ!!ギンガ君に言ってなかったよぉ!リオンちゃんが誘拐されたって!)
サトル(え!?何で言ってないんですか!)
ウツギ(だって、言っちゃったら絶対に脱獄しちゃうじゃん!うん!絶対したね!)
サトル(・・・それは、否定できませんね・・・)
ギンガ『・・・何仲むつまじく、アイコンタクトで会話してるんですか・・・』
ウツギ「ギクッ!あ、はは・・・」
サトル「いや・・・その・・・えっと・・・」
???『ギンガ君、これ以上彼らを言及しても、何も変わらんよ。いい加減、事実を受け入れなさい。じゃないと、これからがもっと辛くなるからのぉ・・・』
ウツギ「え!お、オーキド博士!!何で、貴方がそこにいるんですか!?」
オーキド博士と言えば、この世界では知らない人が居ないほどの超有名人である。
サトル「あ!博士!」
ちなみに、サトルも一度だけオーキド博士と会っている。まあ、リオンを間に挟んでの状態だったが。
オーキド『仕方ないんじゃよ。チャンピオンになったら、誰かに狙われるなんて当たり前なんじゃ。』
ギンガ『しかし!博士!』
サトル「俺だって、信じたくねえよ!でも・・・紛れもない真実なんだ・・・」
ウツギ「・・・ギンガ君。サトル君だって、ちゃんと受け入れたんだ。僕だって、受け入れた。」
オーキド『そうじゃ。しかし、安心せい。ワシも全力総意で調査しておる。』
ギンガ『・・・。』
ウツギ「そういえば、何故オーキド博士がそこにいらっしゃるんですか?そもそも、そこは一体・・・」
オーキド『何でワシが、自分の研究所に居たらいかんのじゃ?ここは、マサラのワシの研究所じゃよ。』
ウツギ「ええ!?」
サトル「じゃあ、次の質問!なんで、ギンガがそこにいるんですか?」
沈黙。
ギンガ『あー・・・それはだなー・・・』
オーキド『その事については、ワシから説明しよう。彼には、確か父親しかおらんのじゃったな?』
ウツギ「はい。そして、今現在父親は行方不明ですよね。」
サトル「・・・。」
オーキド『つまり、今彼には親が居ないんじゃ。しかし、彼はまだ親が必要な年頃じゃろう?』
ウツギ「・・・ええ。そうですね。」
ギンガ『・・・さっき、何ですぐにそっちに行けなかったのか・・・理由は、一身上の都合でと言ったよな?』
オーキド『ワシが、彼を養子として迎え入れたんじゃよ。ワシは、彼の身元保証人となる為に、手続きを行ってたんじゃ。』
サトル&ウツギ「・・・。」
ギンガ『何を固まっているんだ。一番驚いているのは、俺なんだぞ。』
この時、今世紀最大の叫び声がとどろいた事は、ここにいる四人しか知らない。
オーキド『と言う訳で今では、ワシと彼は法律上で親子となっている。だからいい加減に、ワシの事はお父さんと呼びなさい!』
ギンガ『そんな事無理です!貴方は、俺にとっての恩人なんです!身寄りのないこんな俺を引き取って、育ててくれる事になったのは、全部博士のお陰なんですよ!』
サトル「・・・お父さんか。いいんじゃないか?」
ウツギ「うん。いいと思う♪」
ギンガ『・・・何楽しんでるんだよ。いきなりは無理です。俺には、行方不明とはいえ、父親はいますし。』
オーキド『・・・そうか。分った。ワシの事は好きなように呼びなさい。』
サトル「ところで、いつ帰ってくるんだ?」
ギンガ『明日には、そっちに向かうつもりだが。』
ウツギ「本当かい!それは助かるよ!皆も喜んでるみたいだし!」
サトル「・・・おい、帰ってきたらお前に話しがある。」
ギンガ『・・・ああ。分った。じゃあな。』
電話の後、研究所内がお祭り騒ぎになった事は言うまでも無い。
次回へ続く