二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- ポケモン二次創作 【虹色の天空】 ( No.67 )
- 日時: 2010/11/20 00:38
- 名前: 豆電球 ◆Y6CWE4r6bA (ID: sp0cIx.0)
第十三章 〜笑顔〜
五番道路
エンジュ「次のジムは、電気タイプなんだよね!」
キオン「地面タイプが弱点なんだけど、僕達の手持ちには居ないよね。」
エンジュ「でも、他のタイプは効果普通。もしかしたら、強力な技でかたがつけられるんじゃない?」
キオン「でも、エンジュちゃんのピイと、フェリーはそんなにレベルは高くないよな?」
エンジュ「うっ!」
キオン「トレーナとのバトルだって、殆ど僕担当じゃないか。ダブルバトル以外。」
ダブルバトルでも、はやて後方でのサポートに徹しているのであった。
キオン「とりあえず、経験を沢山つまないとね。」
エンジュ「うん!」
???「その必要はない。」
突如、しわがれた声が割り込んできた。
キオン「?」
エンジュ「!」
二人の会話に割り込んできたのは、二人のお付に支えられてやっと立っている、老人。
エンジュの表情が、みるみる青ざめていく。
この反応を見れば、誰なのかがすぐに察しが付いた。
エンジュ「じ、じーじ様・・・」
そう。この老人、エンジュの祖父であり現「トキワの守り人」第●●代目を受け継ぐ者である。
じーじ様(以下じーじ)「エンジュ、探したぞ。何故、ワシらの元から去った?」
エンジュ「じーじ様・・・」
少年「エンジュ様、お探ししておりました。ご無事で本当に良かったです。さあ、戻りましょう?」
少女「・・・」
エンジュ「・・・」
首を横にブンブンと振り、キオンの後ろに隠れる。
エンジュ「お兄ちゃん!」
キオン「あのねぇ・・・この状況でさ、僕にどうしろって言うの?睨まれてるの、僕なんだからね?」
助けて欲しいのは、僕の方だよと、呆れの念がにじみ出ている。
それは言葉通り、老人やお付の少年からのイタ〜イ視線が、キオンに集中しているからだ。
エンジュ「・・・じーじ様。アタシはもどりません!お兄ちゃんをにらむのは、やめてください。」
じーじ「エンジュ・・・何故じゃ?トキワの守り人を受け継ぐのは、我が一族一の誇りじゃぞ。」
少年「そうですよ。これほどの栄光なんて、存在しませんのに!」
キオン「・・・ちょっと待って下さい。エンジュちゃんが、こんなにも拒否しているのに何故強制させるのですか?」
じーじ「・・・お主には、関係無い事じゃ。エンジュから離れんか!」
キオン「失礼ながら、おじいさん。お孫さんが放して下さらないのに、どうやって離れろと?」
二人の間に火花が散る。事の発端である、エンジュはひたすら無言で、キオンの後ろ。
切羽詰った状況に、救いの手を差し伸べたのは・・・
立ち振る舞いが、いかにも大和撫子な少女。淡い桃色の着物を身にまとっている。
少女「・・・長老様。どうぞ、車椅子にお乗り下さいませ。そろそろ限界でしょう?」
じーじ「おお、マイ。すまぬ。」
マイ「エンジュ様の連れのお方。いきなりのご無礼、申し訳ありませんでした。」
キオン「あ?・・・いいえ・・・」
少年「マイ殿!この者は、エンジュ様を攫った者ですぞ!あやまるなんて・・・」
エンジュ「コト!お兄ちゃんのこと、何ていったの!?」
コト(コトブキ)「エンジュ様は、この男に騙されているのです!よく考えてみてください!」
じーじ「コトの言う通りじゃ!さあ、エンジュ!戻ってくるのじゃ!」
エンジュ「やっ!」
キオン「おじいさん!強制は駄目でしょう!」
マイ「この方の言うとおりです。少し落ち着きましょう?長老様。」
じーじ「・・・お主。名はなんと申す。」
キオン「僕は、キオンと申します。お孫さんは、僕に自ら付いてきたんです。彼女自身の意思です。」
エンジュ「どうせ、アタシは二年後にはじーじの後をついで、トキワの守り人にならなくちゃいけないんでしょう?だったらじゆうな今のうちに、旅をしたい。しらない世界をもっとしりたい!」
エンジュが、長老達の前でひたすら隠し続けてきた、「思い」が溢れ出す。
マイ「エンジュ様・・・」
コト「しかし・・・」
エンジュ「アタシだってほかのこと同じように、パートナーポケモンも欲しかったし、旅立ちたかった!」
キオン「エンジュちゃん・・・今、その希望は叶ってるよな?」
エンジュ「・・・うん。」
キオン「で、今はこのまま僕と、旅を続けたいんだろう?」
こくりと頷く。
マイ「・・・長老様。暫く許して差し上げたらいかがでしょうか?」
長老「・・・実はな、お月見山あたりからワシらは、二人について来た。その時の、エンジュの笑顔といったら・・・!」
コト「・・・我々と居た時には、決して笑わなかったエンジュ様が、本当に幸せそうで。」
マイ「貴方様のお陰です。キオン殿。」
キオン「いや、そんな事無いです。」
事「しかし、我々が何度試みても出来なかった、事を、僅か一ヶ月で達成してしまった・・・」
長老「エンジュ。この者と旅をしたいのか?」
エンジュ「はい。お兄ちゃんと、各地にあるジムにちょうせんしたいです。」
マイ「キオン殿・・・」
キオン「彼女の人生は、彼女が決めるんです。僕は、決めることは出来ない。エンジュちゃん?どうする?」
そんなこと、きまってるじゃない!笑いながら、自分の思いを口にする。
エンジュ「お兄ちゃんと、たびをつづけたいです。」
長老が認めたか否かは、次回冒頭で。
次回へ続く