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二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: VOCALOID物語 ( No.48 )
- 日時: 2010/10/30 15:41
- 名前: 無幻 (ID: 8hgpVngW)
■[リン] アンチクロロベンゼン *。+゜ 01 ゜+。*
何もかもが、嫌だ。
“苦しくて、悲しくて、悔しくて、やめたくて。”
抱き締めている弟の身体が、小刻みに震えている。
“それすらも、許されず、なにもかも、失うだけで。”
母親の手が、私を殴って、蹴って、私は、「やめて」と叫ぶ。
“辛過ぎて、憎過ぎて、虚しくて、消したくて。”
ああ、あああああ、壊れていく。
やめてっ!お願いだっ!
なにもかも、投げ出して、飛び出して、喚き叫ぶよ!
弟は私に守られている事なんて知らないくせに。
弟の身体には傷なんかついてないのに。
私が守ってあげているのに。
弟は夜の街を駆けていく。
私は義母の虐めから逃れ、弟を追いかけていく。
追いついた先でどうするとか、考えてないし、する気も無いけれど、ただ、追いかける。
私は弟が現実から逃れようとしているのを、何も言わずにただ見てるだけ。
チープな言葉並べて、
ゴールは見当たらなくて、
ルールなんて綺麗なものは無くて、
ただただ脆く、朽ち果てていく。
私は弟が話しかけていた野良猫に語る。
「私はこの世界の全てを正すの。」
彼には——弟には分からないだろうけどね。と、そう付け足して。
私は野良猫に騙る。
「私にしかっ!世界は正す事が出来ないのっ!」
出来もしない誓い振りかざして。
独りよがりに酔いしれて、周りが見えなくなる。
みんな知ってる。
理解してる。
だからこそ、私は今日も、
世界に見捨てられるんだわ。
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