二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: VOCALOID物語 ( No.5 )
日時: 2010/10/26 16:08
名前: 無幻 (ID: 8hgpVngW)
参照: 彼女の為なら死んでもいいって、そう心から想っています。


■[リン.レン] 秘蜜〜黒の誓い〜 *。+゜ 01 ゜+。*


羽を堕とした堕天使「リン」は汚れた契りに身をゆだねて。

愛する彼女との過去を、自分の手で消し去ってしまった———。


これは、天使と人の、物語。


*。+*。 時は遡り… 。*+。*

(天使「リン」 視点)

悩みを抱えて飛び出してきた。居心地の悪い空には今更戻る訳にもいかない。


(これからどうしよう…。)


夕暮れの紅に染まる街を彷徨って、ついには下に座り込んでしまった。


(はあ…。)

「どうしたの?」

ふと、透き通った透明な声が聞こえた。
上を見ると、奇麗な瞳を持った黒いドレスの少女が立っていた。

————。

目が合ったその瞬間、天使——リンは頬を紅く染める。

「えと、あ、その…迷子…でして…。」


そう、リンは恋に落ちてしまったのだ。

そんな哀れなリンは、許されないと分かっていた。
でも、抑えている気持ちは今にも溢れ出しそうなほどだった。


「なら、家に来るといいわっ!そうしましょ!」

「へっ」

(嗚呼、突然だったものだから変な声が出ちゃった…。)

「名前、何て言うの?私は『ミク』よ!」

「リ…『リン』、です。」

「リンね!宜しくっ!」

「宜しく…。」


『ミク』と名乗る少女。

私は天使、ミクは人。


決して許される恋ではないけれど、それでも、叶える為に私は——




                 全 て を 壊 す だ け




「いやっ…!」


ミクは、私を拒んだ。
ミクは申し訳なさそうな表情で顔を伏せた。


リンは「当然」という顔と、「悲しさ」でいっぱいだった。



ミクが顔を上げた時、天使は、リンはそこに居なかった。



ただ、一枚の羽を残して。



リンは柱の影に隠れて泣いていた。






心が「汚れ」だらけでもいい。


君を愛して生きられるなら。


こんな羽なんていらない。


リンは羽と自分に向けて銃を構える。


愛せるなら、悪魔に身を委ねてしまおう。



君との何気ない日々を、もう一度。



銃声が、響いた