二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: VOCALOID物語 ( No.6 )
日時: 2010/10/26 16:25
名前: 無幻 (ID: 8hgpVngW)
参照: ごめんなさい。貴女が居たら、言わせて。聞かなくてもいい、ごめんなさい。


■[リン.レン] 秘蜜〜黒の誓い〜 *。+゜ 02 ゜+。*


(ミク 視点)


どんどん心が黒く、漆黒に染まっていく。

少しでも晴らしたくて、聖なる誓いの場所へと祈りを捧げにいく。


そこで、ミクは儚い瞳で笑う、不思議な少年と出会った。

(…誰かしら。ちょっと雰囲気がリンに似ているわね…。)


目が合ったその瞬間、リンがミクに出会った時のように、ミクは頬を紅く染めた。


「あの、ミクさんですか?」


「え…ええ。」


「知人から聞いたんです。噂通り、優しそうな人で良かった。
 貴女に会ったという知人から。貴女をあの家から離して欲しい、と。」


(何を、言っているの?

私は、リン以外の人とは会っていない筈…。
リンも、出会ったときは一人だった。)


ミクは、それでもこの人と離れたくなくて、嘘をついた。


「ええ、私をこの籠から出して。」


「はい。」


少年は儚げに笑う。


「それはそうと、名前は何て言うの?」

「レン、ですよ。」


(レン——…。ますますリンに似てるわね。)


少女は許されない想いに気付かないフリをして、全てを裏ぎった。


*。+゜ (レン 視点) ゜+。*

手に入れたのは、この暖かな手の中。


ありふれた想いではなく、ずっとずっと焦がれ続けた欲望の果実。


求め合って、奪い合う熱。


リンとミクのような清らかな誓いさえも、



          侵 し て く



ミクとレンを繋ぐ「リン」という過去を全て粉々に消し去ったら、



きっと、後悔さえ悔やむほどに、






君に溺れて堕ちていくよ—————