二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: 【REBORN!】 風、来たる。 ( No.12 )
日時: 2010/10/31 22:03
名前: ゆらゆら ◆U4ADJleouU (ID: nWLBF9ry)

—第五話—



朝練終わりの掛け声を、グラウンドの中心で叫んだ。
練習が終わる時、皆でそこに集まって叫ぶ。恒例行事だ。

これで朝練習は終わりだ。
山本は、背中に張り付く汗から逃れるために、インナーを脱いだ。
部室に向かう足を方向転換させ、頭から水を浴びるために水道へと向かう。


「あっ、悪ぃ安原! 俺のタオル取ってくんねー?」


おうともさー、という声と共に、部室の窓から白いタオルが投げられた。
それをキャッチし、肩にかける。インナーを脱いだというのに、汗が背中を伝う。少しの不快感。

秋が始まりかけているとはいえ、まだ暑い。


蛇口を捻り、頭から水を被る。火照った頭が、急速に冷えていく。


「——山本くん?」


水の向こう側で、誰かが呼ぶ声がした。
水から顔を上げ、そちらを見る。


「お、櫻井じゃん。おはよっ」


日誌とチョークを腕に抱いたクラスメイト——櫻井千風が立っていた。
よかった当たっていた、と言いながら、水道の近くまで近付く。


「日誌……ってことは、今日櫻井が日直なん?」
「うん。沢田くんと一緒だよ」


ツナと。驚きで目を見開くが、そういえば隣の席だったな、と思い返す。

蛇口を締め、タオルで濡れた髪の毛を拭く。汗が冷えていく。心地よい。


「な、一緒にクラス行ってもいいか? 俺、もう部活終わったんだ」
「うん、いいよ。じゃあ私、ここで待ってるね」


サンキュ、と呟きながら、部室に向かった。

扉を開くと、にやにやと笑う二人の先輩。
きょとんとする山本を置いてけぼりに、同じようににやにやと絡んできた。


「やーまもとっ。あの子何? お前の彼女?」
「は、はぁ?」


突然の展開についていけない。
素っ頓狂な声を出すと、彼らは「またまたーァ照れちゃってェ」なんておばさんみたいなことを言い出した。


「ちょ、何スかいきなり。あの子って誰ッスか?」
「何とぼけてんのお前。さっき水道ンとこで話してたじゃん」


櫻井のことか。
ああ、と納得すると同時に、なぜそうなった、と若干呆れた。
そういえばこの前、合コンが何だの他中の女子が可愛いだのなんか言っていたような気がする。
そんなに恋がしたいのか。それともただ単に彼女が欲しいだけなのか。


「違いますよ、ただのクラスメイトっす」
「えええっ、お前それ勿体ねえよ! けっこー可愛い子じゃねーかよ!」
「恋愛感情ねえの!? じゃあ俺に紹介しろよ!」


飢えてるだけか。

苦笑しながら、シャツに手を通す。
先輩たちは、なおも食い下がることなく山本に訊ねまくる。


「えー、山本の彼女じゃないなら俺いけっかな」
「ばっかお前、無理に決まってんだろー! 彼氏いんかもしんねーじゃん」
「あーその可能性あるかー……ちくしょー、彼女ほしー!!」


やっぱり飢えてるだけか。

荷物をロッカーの中に詰め込んで、急いで部室から出ようとする。彼女を待たせてしまっているから。
そんな山本の背中に、先輩の無粋な声が届いた。


「あ、山本ー! あの子に彼氏いるか聞いとけー!」
「え゛!!」


先輩それはちょっと厳しすぎるッス——言おうと思った瞬間、目の前で部室のドアが閉まった。





— — — — —




「悪ィ、待たせちまったな」
「ううん。日誌読んでたから大丈夫だよー」


どことなく気まずい気持ちを持ちながら、水道へ向かう。
彼女はすぐ傍の壁に背中を預けて、自分の持っている日誌を読んでいた。
恐らく暇潰しだろう。

その表情が、とても優しいもので、山本は驚いた。

一ページ、一ページをめくる手つきが、繊細で優しい。——壊れ物にでも触れているような。


「あ、山本くんのやつあるよー」
「げっ、マジか。ハハッ、なんか恥ずかしいのなー」


頭を掻きながらそう言って、再び千風を見やる。——表情は、変わっていなかった。

また、一ページめくる。……そのページを見て、唐突に日誌を閉じた。


「あれ、もういいのか?」
「……うん。ごめんね、行こっか」


別に全然よかったのに、と言うと、彼女は困ったように笑いながら、いいんだよ、と言った。



——えええっ、お前それ勿体ねえよ! けっこー可愛い子じゃねーかよ!



突如、先輩が言った言葉が蘇る。——その横顔を見て、顔が火照った。

あまり感情を表に出さないタイプだと思っていたけれど。——笑顔は、可愛い。


「……っ」


自覚すると、なんだかとても恥ずかしくなった。
ずっと横顔を見つめていた自分が更に恥ずかしくなって、慌てて顔を逸らす。

それが視界の隅に映ったのか、千風が不思議そうにこちらを見た。——ちょ、今はダメ。



——あの子に彼氏いるか聞いとけー!



先輩、無理です。





— — — — —
>>010 風さま
ただのアホです^q^←
あほな子かわいいですwなんかかわいいですw←
あほじゃなかったらあんなことできませんよ!
寧ろ尊敬しますよね!!←

千風の場合彼を見ていなかったので
ビジュアル的な情報は無かったんだと思います、ハイ。←


>>011 無花果さま
千風好きと言っていただいてとても嬉しいです!!
ファミリー入れますよーww
それが目的ですもn←

雲雀さんむっずかしいです……;;
そして私は骸さんを出すと必ずキャラ崩壊するんですよ←
骸さんはともかく今回出した山本もなんか……あれ?みたいなww←