二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: キングダムハーツ タイムトリップチルドレン!! ( No.378 )
- 日時: 2011/11/27 20:43
- 名前: リラ (ID: BDgtd/v4)
お題シリーズ—3.さようなら、大切な人よ—
『—ありが…とう、グラッセ』
『リズッ!!!』
世界を揺るがした光と闇と狭間の戦いが今ようやく終わり、金髪と栗毛の少女—リズが融合から解かれ崩れ落ちると、赤髪の少年—グラッセが受け止める。
少年の手には先ら少女にトドメを刺したキーブレードが握られており、涙が零れ落ちる。
『ごめん…ごめんな!!苦しかったよな、痛かったよなッ!!』
『バカ…泣いてんじゃないわよ、アンタは当然の…事を、しただけなんだから、もっと胸張りなさい』
そして泣きながら謝り続けると、泣くなと促がしつつ胸張れと言うが少年は出来ないと首を振る。
—無理も無い、グラッセは世界を救うためにリズの心を完全に砕いてしまったのだから
それを悟っているのかリズはため息をはきつつも、荒い呼吸の中グラッセの手を握りしめながら
『今更後悔したって…仕方ないでしょ?私のためになんか貴方は立ち止まっている暇はあるの?』
『ッ…』
後悔するな、そして立ち止まっている暇はあるのか—それを問い詰められ、グラッセの青い瞳は揺れた。
迷う事があっても立ち止まってはいけない—それはこの少女が最初に教えてくれた事だった。
『上手く…言えないけどさ…グラッセは世界を救ったんだからさ、もう少し笑った方がいいよ』
『なっ…笑えるわけ無いだろ!!こんな時にッ!!』
それからリズは苦笑し世界を救った者らしく笑っていろと言うと、切れながらツッコミを決められほっとする。
よかった、何時ものグラッセに戻ったと分かったからだろう。
そんな事を考えていると身体が薄れてきた、もう時間が無いんだ。
『リズ、身体が…ッ!!』
『これが、心を砕いた者の末路ってね…私の場合はノーバディだから消滅なんでしょうけどね…ウフフ…』
『何笑ってんだよ!!待ってろケアルガを…』
もちろんグラッセもこの事態に気が付き真っ青になっていると、リズは自分の運命を悟り微笑むとまた怒られ回復魔法をかけられる。
しかしそれは効果があるワケも無く、私の身体は更に薄くなっていく。
『ほらね…もう、間に合わないんだよ…』
『止めろ!!そんな事言うなッ!!!』
消滅寸前の身体に回復魔法をかけたって癒される訳無いじゃんと意識が遠のきつつある中、精一杯の声で答えるとグラッセは更に私を抱き締め消えるなと泣く。
そんな事言われると—消えたく無くなるよ、まだ生きたいって思いたくなるじゃない…
そんな事を考えていると少女の頬が濡れる、これは—
『嘘…私、泣けたんだ』
『当たり前だろ!!?例えノーバディだとしても…機関の皆も…お前も心を持ってるんだから…』
それは涙—ずっと流せなかった物が今更流せて驚いていると、グラッセは当たり前だと言い私に心について言いながら更に泣く。
泣き虫だなグラッセはと考えていると、体が浮遊感に包まれる。
ああ、もうグラッセもよく見えない、身体が重いのか軽いのかも分からなくなっちゃった…
『ダメだ、リズッ!!消えるなッ!!消えちゃ…ダメだッ!!』
『—さようなら、グラッセ…』
最後に聞こえたのはグラッセの悲痛な声で、私は最後の一言を告げると—多分消えたんだと思う。
その時の事、もう覚えていないから
そして、少女の消滅と共に絶叫が響いた。
『何で…何でリズは存在しちゃいけないんだよ——————ッ!!!!!』
—さようなら、大切な人よ—
お題シリーズ5の続きで、リズとグラッセの別れの話でした。
グラッセ「ウグッ…あああ…(マジ泣」
また泣いてるし…流石ヘタレの代表者…
ムーン「誰がヘタレだって?てめぇには分からねぇよなぁ…!!(黒笑」
リズ「グラッセがどれだけ苦しい思いしたと思ってんのよぉ…!!(同じく」
いや、元とは言えばキミが悪いんだからね?
こんな選択肢取ったのは、リズなんだから
二人「「そうさせたのはお前だろドアホ———————ッ!!!」」
退散!!
次は明るめのお題を更新したいなーと思ってますので、ではっ!!