二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: キングダムハーツ タイムトリップチルドレン!! ( No.400 )
- 日時: 2012/10/11 22:50
- 名前: リラ (ID: HPru.2N2)
お題シリーズ—2.僕たちは生きているんだ—
世界を巻き込んだシャドウの騒動から数日後、事態が収束し復興作業に追われているトワイライトタウンの時計台では、この世界では珍しい赤髪にツンツン頭をした少年—グラッセと黒髪の少女—シオンが一緒にシーソルトアイスを食べていた。
『…あれからほんの数日しか経っていないのに…もう随分とアクセルとロクサスに会っていない気がして…すごく寂しいや』
『そうですね…俺もリズとムーンが何時も一緒に居る事が当たり前だったから、胸の中の何かがぽっかりと抜け落ちたような気がします』
そして黒髪の少女であるシオンがあれから—シャドウの騒動からたった数日しか経っていないのに、もう随分と親友であるアクセルとロクサスに会っていない気がして寂しいと口にする。
それに対して赤髪の少年であるグラッセも、俺もリズとムーンが居なくなってから胸の中の何かが抜け落ちた感じがすると言って苦笑する。
そう—この二人はシャドウの騒動で、大切な親友が行方不明になってしまった共通者であった。
正直今すぐにでも世界中に探しに行って友を見つけたい、だが手がかりもなく—彼女の言葉を信じて待つ事しか出来なかったのだ。
【—またね、グラッセ】
彼女の言葉…それはリズの言葉で、少女たちは自分たちとの再会を信じ…己の身を大爆発の中に投げ込んだ。
アイツは嘘を付く事が物凄く苦手で付いたとしても分かりやすいから…本当に信じても良いんだとグラッセは思って居た。
『ねぇ、グラッセ…本当に信じても良いんだよね?リズの事を…』
『え?』
だがそう思っていた矢先に、突然シオンが不安そうな顔でそう聞いて来てグラッセはもしかして考えている事読まれたと冷や汗を流す。
しかしシオンはそんなグラッセの不安も予想済みだったようで、違うよと苦笑しながら前を向いた。
『あたしね、リズの事は信じてる…でもね、時々不安になるの、あたしに関わる人って、皆不幸になっちゃうから…だから…今度はリズやムーンも…!!』
『シオン…』
彼女の事は信じている、でもあたしに関わる人は皆不幸になってしまいから今度はリズとムーンがと言うシオンは怯えていた—大切な人が自分のせいで傷付く事と、何かを失う事を
『…ちょっと昔の話をしようか—俺も一時期シオンのような思いを抱いていた時があったよ、この件と似たような感じでリズとムーンを同時に失ってしまったんだ』
『………ッ!!』
その姿は前の自分と似ているような気がして、普段なら話さないであろう昔の旅の事をシオンに話す事にした。
案の定シオンはその話に驚いており、目を見開くが無言で聞いてくれた。
『その時の俺は正気を失っていた言っても過言じゃ無かったよ、何て言うか…全てが憎かった…いや全てを憎んだ、理不尽な世界の仕組み、闇の勢力、無力な自分など…挙句の果てにはリズとムーンも恨んだよ、世界のためといえどもあんな決断をした親友さえも憎く感じて』
その出来事のせいで、自分は正気を失ったと言っても過言じゃない所までなり下がり落ちた。
全てを憎んでしまったのだ、この世界は理不尽で成り立っている事、闇の勢力の勝手な思考、無力で何も出来なかった自分、そして親友たちさえも
世界のために自分を犠牲にしたリズとムーンの判断は間違ってなかった、寧ろたった二人の犠牲で済むのなら安い物なのだから正論であろう。
だけど憎む事でしかその時は気持ちを制御出来なかった、自分を押さえつける事など無理だったのだ。
『…でも、リズとムーンの残してくれた思い出を…心と記憶を思い出したら、憎む気持ちなんて無くなっちゃったよ、俺の心にアイツらは光を与えてくれたんだから』
『光…?』
だが二人が残してくれた思い出—過ごした日々の記憶と心を思い出したら、憎む事を忘れてしまった、いや出来なくなってしまった。
アイツらは俺の心に光を与えてくれたのだから
『ああ—ずっと暗闇の中にいた俺の心に…希望と言う名の光を齎してくれたんだ、俺の心の中にはとても優しい2つの光があったんだ』
暗闇の中にいた心に、リズとムーンは2つの光を…希望を与えてくれた。
『1つはとても優しく暖かい女神のような光、もう1つは不器用だけど大切な気持ちを忘れない勇者のような光…それがリズたちの失われない光』
『失われない光…』
その光はけして失われない物だから大丈夫、そう言ったグラッセは頭を掻きながら苦笑した。
『…上手く言えないけど、シオンのせいでリズたちは不幸なんかにならないよ、これだけははっきり言える』
『…あり…がとう、グラッセ…』
上手くはフォロー出来ないがシオンのせいで不幸になんかはならないと言う事を述べると、彼女は嬉しそうに泣き笑いでお礼を告げて来た。
『(…リズたちなら大丈夫だ、アクセルやロクサスだって傍に居るんだし…何よりも生きている限り—ヒトは巡り合うんだから)』
—僕たちは生きているんだ—だからけして可能性を諦めない…
お題シリーズ2は、リズたち失踪後のグラッセとシオンの絡みでした〜!
シオン「番外編で出れた事は嬉しいけど…何かあたしのキャラが暗過ぎない?」
大丈夫でしょ、358の終盤らへんで貴女は—
グラッセ「シアターになる358のネタバレになるような事言うなぁぁぁ!!!!!」
冗談ですよ(逃亡
シオン「冗談って言う割には何で逃げたのあの作者…」
グラッセ「…間違いなく、ボコボコにされるのを避けるためだろ」
シオン「…なるほど」