二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: 仮面ライダーDCD‐the last story‐ ( No.22 )
日時: 2010/12/31 23:10
名前: モンブラン ◆X.IGmvWvQ6 (ID: 97uBXX7z)
参照: http://www.youtube.com/watch?v

第十話『王という名の切札』

全くの偶然だったのだが、『ライダー大戦の世界』の三つの勢力が鉢合わせしてしまった。

「畜生……なんで大ショッカーの幹部が来てんだよ!」
剣崎が嘆く。かなりいらついているようだ。

「ほほう……これはこれは。剣崎一真さんじゃあありませんか!どうしたんです、こんな所に……。」
一方の死神博士は一瞬驚いたものの落ち着いている。




「おやおや、またお客さんですか。さあさあ座って下さい。ほら、お茶をどうぞ。」

栄次郎の一言が険悪なムードを一気にぶち壊した。

「あ、どうも……。」
剣崎も驚いたのか、声が小さくなる。

「さて、早く外へ行きましょうか。」
死神博士が声を掛け写真館を出ると、士、剣崎が後から出ていく。



すると、部屋の奥から海東が顔を出す。
「……………行ったみたいだね。」









「さて始めましょうか。ディケイド、ブレイド。」
死神博士は二人の方へ剣を向ける。

「チェンジ・スクイドサイエンティスト!」
彼がそう叫ぶと、その姿は烏賊のような異形の姿へと変化していく。

「行こうか……。変身!」
士はディケイドライバーにカードを装填する。
[カメンライド‐ディケイド!]
白黒の影が士を覆うと、マゼンタの戦士……ディケイドがその中から現れる。

「全く、ディケイドだけと思ってきてみれば大幹部が居るしで、こりゃ“切札”使うしかないな……。」
剣崎は溜め息をつく。



「変身………。」

小さな声で呟くと、彼の目は漆黒に染まり、身体は灰色を帯びてゆく。
口から黒い煙が吐き出され、それに少しずつ剣崎の身体は包まれる。


瞳が光り輝き、その身体は完全に異形の姿へと変貌する。
人型でこそあるが、その身体は無数の生命体の身体の一部が組み込まれた形をしている。肩・腕などところどころに半透明の装甲のような物が見受けられる。
頭部には黄金の王冠が輝き、やはり口からは黒い煙が絶えず溢れている。


ソレを見た瞬間、死神博士の表情が一転怯えたものになる。

「まさか……、お前は………!」


「そうだよ、爺さん。俺はジョーカーだ。」
エコーのかかったような声で剣崎は話す。

「しかもただのジョーカーじゃあない。13体のアンデッドと融合したアンデッドの王…………俺はキングジョーカーと呼んでいる。」










「へえぇ〜、面白いなあ。」
その場に聞き慣れない男の声が響く。

「誰だ?」
士は誰だか解らない、という表情を浮かべる。

「お前は……!」
剣崎は——最も、人間の姿ではないが——憎悪を剥き出しにしたような表情となる。

「貴方様は………何故ここに……?!」
死神博士の顔から急に血の気が引き、へりくだった口調となる。



「キングジョーカー、ねえ。“王”に“切札”って名前聞くとさぞ強そうだけど、……君は本当に強いのかい?」



第十話『王という名の切札』終