二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: 仮面ライダーDCD‐the last story‐ ( No.26 )
日時: 2011/01/07 20:40
名前: モンブラン ◆X.IGmvWvQ6 (ID: 97uBXX7z)

第十二話『禁断の箱』


大ショッカーの大幹部である大神官ビシュムは、過去と未来を視る能力を有している。
その貴重な能力により、彼は大幹部の中でも非常に高い地位と権力を持ち、“神官”の称号を与えられている。

そんな彼が今回大幹部である地獄大使を殺害した理由は、組織内に混乱を引き起こしそれに乗じて大首領を殺害、自らが大首領になるという野望を実現するためである。

自らの能力である“未来を視る”能力を応用し、自らの望む未来へ修正していく…………。
恐らく大ショッカー内では彼にしかできない芸当である。

また、彼は大幹部となる以前のゴルゴムでも神官を務めており、“地の石”の能力を持つ。彼が不気味な姿をしている理由もこの石によるものなのだが、それについてはまたの機会に……。


“城”の天守閣内にある大首領室にて…………。


「ふーん、ビシュムがねえ…。」
仮面を付けた人物———大ショッカ—の大首領が言う。素顔までは見えないが、声から判断するに恐らく成人男性だろう。

「はい。今日の集会にも、会議にも出席していませんでした。」
ジャーク将軍が大首領に対し話す。


「じゃあ、今度ここに呼んでよ。彼とは最近会ってないし。」
大首領はそう言うと、部屋の奥へ歩いて行った。

「了解しました。」
ジャーク将軍も、大首領室から出ようとする。



「ねえ、将軍。“パンドラの箱”の物語って知ってる?」
不意に、大首領がジャーク将軍に話しかける。
ジャーク将軍が戸惑う中、彼は話を続ける。

「大昔のギリシアに、パンドラっていう名前の女性がいたんだ。彼女は商業の神様から“決して開けてはいけない箱”と“好奇心”を貰うんだ。
彼女が好奇心に負けて箱を開いてしまうと中から病気・犯罪・貧困……その他色々な災いが出て来た。驚いて彼女は箱を閉めるんだけど、最後に出てきたのは希望なんだよ。」





「————ねえ、もし災いだらけの世界から“希望”すら無くなったら…………どうなると思う?」

第十二話『禁断の箱』 終