二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: 仮面ライダーDCD 最終章 ( No.36 )
- 日時: 2011/01/30 15:23
- 名前: モンブラン ◆X.IGmvWvQ6 (ID: 97uBXX7z)
第十八話『終止符・DCD』
この時、大首領はクロックアップよりも速い“フリーズ”という能力を使い、士のディケイドライバーを超高速の蹴り一撃で粉砕したのである。
[フリーズ・オフ]
その機械音と共に大首領は姿を現し、蹴られた衝撃で吹き飛ばされ壁にめり込んだ士に近寄る。
先程の斬撃により士はコロシアムの端まで追い詰められていたのだが、士は反対側の壁にめり込んでいた。
「あ〜あ、門矢クンったら弱っちくなったねえ。一体何があったんだい、僕の下から離れてる間に……。」
そこへ、一人の戦士が現れる。赤い角に、真紅と銀色の装甲。そして半透明な羽。
それは士が変身していたカブトによく似た戦士だった。彼はゆっくりと士の方を向き、そして大首領の方を向く。
それから変身を解き、口を開いた。
「大ショッカー大首領、ここは避いて頂きたい。」
大首領は首を横に振る。
「いいや、僕は門矢クンに用があって来たんだ。だから君も邪魔なんだよ。」
その台詞を言い終わるか言い終わらないかの時、大首領は何者かに首を絞められる。
見れば、それは先程青年が変身していた戦士だった。
「避いて頂かなければ、貴方はここで死ぬことになる。」
大首領はすぐに首を縦に振る。首を絞めていた戦士は消た。
「解ったよ、僕はもう帰る。ああ、そのドライバーの残骸は君にあげるよ、カブちゃん。」
大首領を白黒のオーロラが包み、その姿は消えていった。
一部始終を見届けた士は、青年に声を掛ける。
「なあ……あんたは何者なんだ?」
青年は振り向き、口を開いた。
「俺か?俺は天道総司。天の道を行き、総てを司る男だ。」
天道………総司………。
どこかで聞いたような名前だ。それに今の台詞も……。
「それじゃあ俺はもう戻る。せいぜい生き延びろよ、ディケイド。」
天道は…これも白黒の…オーロラに包まれ消えていった。
景色は一変し、写真館の前へと戻る。
ディケイドライバーは粉々に砕け、ディケイドのカードも何処かへ消えていた。
士の心は、空っぽだった。
大首領の強さは圧倒的で、士は手も足も出なかった。
咎哉と自分の関係は全く知らないが、何かがある事は理解できた。
だが、これからどうすればよいのだろう?生身で彼に対抗できるわけもないし、海東一人では彼に勝つのは無理だろう。頼みの綱のディケイドライバーは大破している。ライドブッカーとケータッチは残っているものの、それだけでは何の価値も無い。紅達に協力を仰ぐという手もあるが、彼らとは敵対している。
一体どうすれば良いのだろう?このまま大ショッカーに為す術もなく蹂躙されてゆくのだろうか?
そこへ、一人の男が現れる。
「門矢士、君に渡すものがあって来た。……それにしても随分なやられ様だな。大首領と戦ったのか?」
「お前は……。」
士は目の前の人物を見ると、唖然とした。何しろ、その人物が自分に渡すものがあるなど到底信じられる事ではないからだ。
その男は、“あるカード”を持っていた。
第十八話『終止符・DCD』 終