二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: 仮面ライダーDCD 最終章 参照900突破! ( No.51 )
- 日時: 2011/08/17 21:08
- 名前: モンブラン ◆X.IGmvWvQ6 (ID: izFlvzlp)
では、二十三話投下します。遅れてすみません;
第二十三話『第零楽章/キバの世界』
その怪物にはクワガタムシのような二本の角があり、顔は苦痛に歪んでいるような表情をしている。
いや、実際そうなのかもしれない。片方の戦士は、腰に付いている装飾を施された青いホイッスルらしきものを手に取り、それを腰へと動かす。
良く見れば、腰の赤いベルトには先程のコウモリがさかさまになってぶら下がっていた。
もしや、この戦士は先程の青年……?
「おじさん、逃げて下さい!」
その声は、先程の青年の物。確かにここにいても危険そうなので、門矢を連れて近くの建物の陰へと避難する。
コウモリは笛を銜え、吹く。辺りに笛の音が響いた。
「ガルルセイバー!」
コウモリがそう言うと、何処からともなく狼を模した像が飛んできて、戦士の目の前で剣に変わっていく。
すると同時に戦士の身体も青く染まり、右肩の形状も大きく変わる。
「ヴぅぅオアアアアァァァァァァアアア!!!」
彼は天を仰いだかと思うと、辺りに響き渡るような咆哮を轟かせる。
そして怪物に斬りかかり、怪物の斬られた所から次々と火花が散る。
[カメンライド−ディケイド!]
ふと、背後から聞き慣れた電子音声が聞こえる。
後ろを見れば、マゼンタの戦士が。
「門矢!勝手にそれを使うな!」
「いいじゃないですか、それに戦ってる人がいるんですよ?」
そのまま彼は飛びだし、戦士に加勢する。
[アタックライド−ブラスト!]
電子音と共に、無数の銃弾が怪物に命中する。
その隙を見計らって、青い戦士は、持っていた剣をコウモリに噛みつかせる。
「ガルルバイト!」
笛の音が響き渡ると、辺り一帯が満月の浮かぶ夜になる。
戦士は剣を口に銜え、怪物の方へ走っていく。
怪物は応戦しようとしたが、無駄だった。
動く間もなく懐に入られると、そのまま脇腹を斬られる。
怪物の身体中にステンドグラス状の模様が浮かぶと、次の瞬間怪物は爆音と共に消滅した。
その青年曰く、この『世界』では以前、人間の“ライフエナジー”を糧とする戦闘種族“ファンガイア”と戦っており、彼等とは講和が実現した。近年“ネオファンガイア”という新たな種族が出現し、現在はそちらの対応に追われているという。
ネオファンガイアの特徴は、ファンガイアが変異して生まれた存在であること、複数の生命体の特徴を有すること、そしてこの時代では発生しておらず、紅渡の実子である紅正夫の時代に発生し現代に侵攻を開始している、ということの三つ。
ちなみに、先程のクワガタのような怪物はファンガイア。種族間での講和に至ったとはいえ、未だに欲求から人間を襲う者は後を絶たないのである。
第二十三話『第零楽章/キバの世界』 終