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二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: 僕の兄 REBORN ( No.2 )
- 日時: 2010/11/03 20:39
- 名前: 市太郎 (ID: voQe75S9)
一話 朝
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早朝。鳥の鳴き声を聞きながら起床。少し開いた障子からは爽やかな朝日が流れ込んでいる。
彼の名は雲雀恭弥。とある名家に生まれ育った少年。といっても、最も彼を寵愛し育てたのは、たった一人の兄であった。
「恭弥、朝飯できたぞ」
「……そう」
彼こそが恭弥の兄・恭一。彼は毎朝恭弥を起こしに来る。が、今日は弟の方が一足早かったようだ。
すぐ来いと一言の残し、去る。大きくあくびをし、まだ寝たいとばかりに閉じる目蓋を必死に開け、布団から離れた。
廊下を歩いていると、少しずつ良い香りが近付いてくる。
「味噌汁の匂い……」
居間に着くと、そこには食事中の恭一と、空っぽの二組の食器があった。
「はよ。父上達ならもう出たぞ」
「そう」
「朝から物騒だよなー……」
テレビを見ながら、恭一が呟く。恭弥は不思議そうに画面を見つめた。
「並盛町で通り魔事件だってさ。しかも単独犯じゃねーってよ。こえーよな」
「並中の生徒に手を出したら、大問題だ」
「愛校心強いな」
「兄さんに言われたくないね。着信まで校歌って……」
「そうか?」
すでに二人は、テレビのことなど眼中に無かった。
向かい合う二人。彼等は普通の兄弟だった。
微笑ましい光景。いつまでも続く……はずだった。
「いってきまーす」
「返事があるわけないでしょ」
「一応言っただけだってーの」
「ってかお前、学ラン熱そうだな」
「うるさい」
ちょっとした物言いは日常茶飯事。ちょっと言われても、恭一は気にしなかった。
「馬鹿兄さん」
「ちょ、何をいきなり!?」
恭弥が嘲笑った事を、恭一は知らない。
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