二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: 僕の兄 REBORN 二話up@ ( No.4 )
- 日時: 2010/11/03 22:18
- 名前: 市太郎 (ID: voQe75S9)
三話 強風
「間に合ったな……はぁ、はっ」
「……息切れ、しす……ぎ」
「おめーも、な……ふう」
校門に入った二人は、酷く息があがっていた。
恭一は少し笑いかける。が、恭弥は顔を背けた。
胸騒ぎが収まらない。恭弥は強く目を閉じた。
放課後。
恭一は生徒会執行部の話し合いで、一方恭弥も兄の分の委員会の仕事で遅くまで残っていた。
外は薄暗くなり、運動場では野球部しか居なかった。
「んじゃ、会議はここで閉めるかー疲れたし」
「終わったー」
「お先に帰るぜ」
生徒会三役のメンバーが次々と生徒会室を後にする。
恭一は一番に部屋を飛び出した。
「恭弥! 帰るぞ」
勢い良く扉を開けると、熱心に何かを書いていたであろう、恭弥の姿があった。
机に詰まれた数枚の用紙を捲りながら、視線だけを移す。
「……そ。君一人で帰ってて」
彼の口からは、素っ気ない一言しか出なかった。
それもそのはず。恭一の分の仕事をしているのに、手伝う気配が彼から見えなかったからだ。
少し困った表情をしたが、恭一は諦めんとばかりに苦笑する。
「そうか……じゃ、先に帰ってっからな。追いついて来いよ」
そう言って扉は閉められた。廊下からは走る恭一の足音が聞こえる。静かな教室で息を吐いた。
近くに置いてあったペンを握り、再び机と向かい合った。
「よかったのか、恭弥。恭一の仕事だったんだろ」
近くに居た風紀委員・飛高逸が話しかける。彼も居残りで手伝いをしていた。
「うるさい……僕は集中したいん……」
興味も無い様に返事をしたその時、今朝の出来事を突如思い出した。
気がつくと動きが止まっており、ペンが儚く机に落ちた。
飛び上がるように立った衝撃で肩にかけていた学ランはずり落ち、座っていた椅子も後ろに倒れる。
驚いて学ランを拾い上げ、扉へと走っていった。窓から強い風が吹く。
「後は片付けといて!!」
「き……恭弥!?」
勢声と紙が散った。