二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: 伝説の勇者の伝説 Dalkmemory ( No.4 )
日時: 2010/11/27 20:19
名前: 花影 ◆wNp4n0Oqx2 (ID: EHM01iHp)

第一章「英雄シオン様と愉快な仲間③」

「たく…。」
ライナがため息をつきながら、椅子に座る。
ここは町の食堂だ。よく見れば、もう食事には遅い時刻だった。
「う?!この団子は少し甘すぎる」
セイトの隣ではフェリスが恐ろしい勢いで団子をほおばっている。
──胸焼けが…。
見ているだけで吐きそうな量だ。
「セイト君もなにか食べないかい?」
微笑みながらこちらに問いかけてくるのは、『英雄王』こと、シオン・アスタール様だ。
「あ、いえ・・・」
今の言葉は本心。隣であれだけ団子を食べられてると、食べたくはなくなってくる。
そう考え、げっそりとしたセイトに気づいたシオンも苦笑する。
まぁ、ライナは気にしていないようだが…。


「はぁ・・・」
食べ終わって、ライナがため息をついた。
フェリスが団子を包んでいたのだ。
「おい。ライナ」
フェリスが視線でライナを刺す。
変な汗を流して、ライナも立つ。
「はぁ・・。まだ食うのかよ」
ライナの声は宵闇に消えた。

         
「セイト様のお部屋はこちらです」
泊まるところがないといったセイトに、シオンは部屋を一室貸してくれた。
──とても優しい方だ。
さっさと寝巻きに着替え、ゴロンとベットに転がり天井を見つめる。
──これからどうしよう‥
考えをやめ、布団に包まるとすぐに睡魔が襲ってきた。

         ●

「おいっ。これに着替えろ」
バンッと、扉がはね開けられた。フェリスだ。
片手には、紫のローブが握られている。
「着替えたら、さっさと来い」
スタスタと歩いていくフェリスを、まだ重いまぶたを擦りながらセイトは見送るしかなかった。