二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: テニスの王子様〜妄想したの書くョ〜No.2 ( No.1 )
日時: 2010/11/05 17:50
名前: 心綺 (ID: tUnkNpYv)

これ読む?
最初意味不途中若干エロ最後ホラー(意味不




「…仁王くん?」

「……」


薄暗い教室にひとり。

床を見つめて立ちつくしていた。

抱えていた文化祭で使うペットボトルをそばにあった机において、彼のそばに寄った。

甘い香りがふわりと鼻をかすめる。


「どうし……」


彼の目線の先を追っていくと信じられない光景が広がっていた。

そこには血だまりの上に横たわる女子生徒がいた。

女子生徒の首からは大量の血があふれ出ていて、白いブラウスに赤いしみが広がっている。

おもわず後ずさり、そばにいる仁王くんを見た。


「……え?」


彼の綺麗な銀色の髪には女子生徒の赤い血が付着していた。

しかも、そのだらりと下げられた左手にも大量の血がついていた。


どういうこと…?


と、言いたいのに声がでない。

腰が抜けてしまったのかわたしは力なくその場に座り込んだ。

すると、低い声が教室に響いた。


「…見られてしもうたのう」


ゆらり、とこちらを見た仁王くん。

その瞳はアヤシク光っていた。

…彼の目の色は綺麗な瑠璃色をしていたはずだ。

なのにアヤシク光るいまの瞳は金色。


「…怖がることはないじゃきに、」


くくっと笑った仁王くん。

薄い唇の両端は不気味に釣りあげられている。

血のついた左手がひとつに結われている髪ゴムをするり、ととった。

その銀色の髪が下ろされ、結んでいた髪ゴムをいじりながら彼は言った。


「…なにも食べようというわけじゃなか」

「………っ…」


彼は目の前にやってくるとスッとしゃがんだ。

ふわりと香った甘い匂いに頭がくらくらする。

赤く染まった左手がゆっくりと伸ばされ、その手はわたしの頬に添えられた。


「その恐怖に満ちた顔がそそる」


ツーっとその手は頬から顎へと滑り、首筋へ。

ひやりとした彼の手に体がびくつく。


「ふふ、」


どこか嬉しそうな笑い声。


わたしも殺されるッ


そう思って目をつむるのと同時に耳元に囁かれる。


「このことは秘密にの?」


コクコク、と目を瞑ったまま頷くと首筋に添えられた冷たい手が名残惜しむように鎖骨を撫でて離れた。


「いい子じゃの」


ベルベットのような甘い声が耳元で囁かれた。

気絶しそうだ。

甘い香りがまた鼻をかすめると同時にカーテンが揺れる音が聞こえた。

ゆっくりと目を開けるとそこには誰もいなくなっていた。

床に横たわっていた女子生徒はいつの間にかいなくなっており、その女子生徒の下にあった血だまりも消えていた。

先ほどのことが夢のようだ。

…いや、実は夢だったのかも。

なんとか立ち上がり、机に掴まりながらペットボトルを置いていた机へ向かう。

ペットボトルに手を伸ばした時、パチリと教室に明かりがついた。

ガラリと開かれた扉の音と元気な声。


「おーい、由梨……ってお前!」

「え?」


前の扉から入ってきた同じクラスの丸井くんがわたしを見て驚愕している。

それから慌ててこちらにやってくると頬を指差して言った。


「その血どうしたんだよ!?」


……え?

わたしは指差された頬を撫でた。

ヌルリ、とした何かが頬についている。

そっと手を見るとそこには赤い血が。

思わず悲鳴がこぼれそうになる。

なんでついてるの…!?


「ケガしたのか!?」

「え、…いや………」


さっきまで女子生徒が横たわっていた床を見た。

やっぱりそこには何もない。

わたしはとっさに「絵の具だよ」と苦しい言いわけをしてトイレに駆け込んだ。

大きな鏡に映るわたしの頬にはべったりと頬から首筋にかけて赤い血がついていた。

どうやらあれは夢ではないようだ。

視線を蛇口から流れる水に向けていたとき、




「秘密じゃよ?」




そんな声が聞こえた。

思わず顔をあげるが、鏡には私以外だれも映っていなかった。