二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: テニスの王子様〜妄想したの書くョ〜No.2 ( No.14 )
日時: 2010/11/06 11:18
名前: 心綺 (ID: tUnkNpYv)

続き

わたしは部誌を書き終え、そのノートを閉じた。


「書き終わったんですか」

「え、うん」


財前くんはわたしの答えを聞くと、さっさと立ち上がってカバンを背負った。

ああ、カギかな。

と思いながら部誌を持ってカバンも肩にかけようとした。

けれども、カバンはいつの間にか彼に取られてしまった。


「オレもつっす」

「え、あ、ありがとう。」


なんや、優しいこやな。

なんて思いながら、部室の扉を閉めた。

財前くんはわたしの隣に並んで歩いていて、なんやろ、めっちゃ緊張すんのやけど。

職員室に入ってオサムちゃんにノートを渡し、職員室を出た。

すると財前くんが「お疲れさまっす」と言って歩き出した。

え、荷物は?

彼は肩にわたしのカバンをかけたまま歩き出したもんやから慌てて追いかけた。

けれども彼は止まることを知らんのかずんずん歩いていく。


「ざ、財前くん!」


やっと止まってくれた。

校舎を出て少しのところや。


「…はあ、疲れた」

「先輩」

「…なん?」


財前くんは相変わらず背中をこちらに向けている。


「…オレ、前から先輩のこと知ってます。」

「え?」

「先輩って笑うとほっぺた掻くんすよね。」

「…」

「照れると、鼻を掻く」

「そ、そうなん?」

「気付いてないかもしんないすけど、オレ…」


財前くんが振り返った。

その顔は無表情でも、皮肉っている表情でもない、柔らかな笑み。


「先輩のこと好きっすわ」

「…へ?」

「…ぁ」


財前くんははっとした顔をして、俯いた。

彼の耳は真っ赤だ。

太陽のせいではない。

照れてる…


「わ、やっぱ忘れてください」