二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: テニスの王子様〜妄想したの書くョ〜No.2 ( No.15 )
日時: 2010/11/06 14:03
名前: 心綺 (ID: tUnkNpYv)

財前好きだゎ。ツンデレふぅ〜↑↑



いつもの駅。

歩き疲れた重い足を引きずって電車に乗り込む。

あまり乗っていない車両に移ると、腰かけに座ってイヤホンをねじ込む。

お気に入りの曲に変えて向かい側の窓の景色を眺める。

今日は疲れた。

大きく息を吐いて、俺は窓から視線をそらした。

ガタンゴトン、と音を立てながら電車は走っていく。

揺れながらなぞる


今日のコト






○ハイテンションなヤツ○






「財前くんっていつも音楽きいてるね!」

「……」

休み時間。

早速女子が話しかけてきた。

「どんな曲?」

「……」

黙っていると女子は短く声を漏らして「言いたくなきゃ、いいけど…」といった。

けど、女子は俺の前からどかない。

「財前くんって頭いいよね!」

「……」

「わたしもがんばってるんだけど、うまくいかなくてさー…あ、今度教えて!」

いやだ。

そう思って視線を女子から手元に移す。

早くどっかいってほしい。

そう思っても女子はどかなかった。

「財前くんってすごいなぁ」

どこが?

「なんか、しっかりしてるし…ガンバリ屋さんだし」

何言ってんの。

そんな言葉が俺の頭の中に浮かんだ。

「わたし飽きっぽいからどれもすぐにおわっちゃうんだよねぇ…」

あっそ。

ってか早くどっかいけって。

それでも動かない女子に呆れて、自分から動くことにした。

がた、と音を上げて立ち上がるとポケットに手を突っ込んで教室をでる。

けれど、

「財前くんは人といっしょにいるところ見たことない!どうして?」

その女子は俺に付きまとってくる。

ほかの女子と仲良くすればいいのに。

なんで俺に…。

ひっつき虫みたいに俺の後をおってくる女子。

「財前くん、顔色悪いよ?昨日ちゃんと寝た?」

俺の顔を覗き込んでくる。

いい加減にしてほしいんだけど。

俺は階段を下りた。

「ね、どこ行くの?」

女子もおりてくる。

俺は学校の裏に回ると、穴のあいたフェンスをくぐった。

「わあ!こんなところに隠れ道!」

女子もくぐってきた。

そのまますたすたと草木が生い茂る道を進む。

モチロン女子も。

「まって〜!」

女子の声が後ろから聞こえた。

振り向けば、草に絡まっている。

俺は助けるわけもなく、視線を前に戻す。

と、女子が叫んだ。

「ひやあああ!蛇ぃい!!」

はあ、とため息を吐いて、女子の元にいく。

落ちていた木の枝を拾ってそれで蛇を掬いあげ、枝ごと遠くに投げた。

女子の腕に絡まった草を引きちぎって女子を助けてやる。

「ふう、ありがとう財前くん」

「……」

太陽みたいな笑顔を俺に向けて女子はお礼を言った。

ドウイタシマシテ。

目で語って俺はまた歩き始めた。

「財前くん、五時間目はじまっちゃうよ」

「……」

サボるために歩いてんですけど。

足を止めない俺に女子はまた走って俺のすぐ後ろにやってきた。

「サボるの?」

そうですけど。

「じゃ、わたしもサボろ」

は?

なんなんだよこの女子。

俺にばっかひっついてきやがって…!

他にもいるだろ謙也さんとかモテモテの人!

「どこにいくの?」

俺の隣に女子はやってきた。

その問いかけを俺は無視をする。

でも女子は黙らない。

「財前くん、さっきからずっと喋ってない…」

アンタのせいです。

「もしかして…」

俺の声が聞こえたのか、女子が顔を真っ青にした。

よし、これで女子は帰ってくれる。

そう思ったが俺の考えは甘かった。

「声でなくなっちゃったの!?」

はあ!?

そこはフツー「わたしといるのヤで喋りたくないんですか」的な感じでしょ!

「だいじょぶですか!?お薬とかは?先生に言ったの?親は?」

女子は勝手に妄想をはじめていく。

ヒートアップしていく女子の妄想にヒく。

「い、いそいで病院行こ!」

が、と掴まれた腕。

気づけば女子に引っ張られていた。

おいおいおい、勝手に妄想して勝手に行くな!

女子の手を振りほどくと女子は不思議そうな顔をして俺をみた。

「どうしたの?」

俺はそんな女子に溜息を吐いて今日初めて声を出した。

「喋りたくないの。アンタと」

こう言ってやれば女子は大体俺のことを嫌ってくれる。

でもこの女子は違った。

「あ、そうなの?じゃ、わたし喋らないようにする」

そしてニコニコしながら俺のそばから……離れない。

おいおい、そこは「じゃ、ばいばい」的な感じになるやろ!

本気で喋らない女子。

「…そうやない…そうやなくて」

ああ、もう!

髪を掻きむしって女子の手を引く。

もうこいつには常識が通じない。

「もう、しゃべってええで」

そういうと女子はまた太陽みたいな笑顔をして「わかった」といった。

「財前くん、どこにくの?」

「俺の秘密の場所。誰にも言うなよ」

「うん!やっと財前くんのことわかった」

「……」

「少しだけだけどね!」

そんな女子の言葉に舌打ちを打つ。




俺のことなんか知らないくせに