二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: テニスの王子様〜妄想したの書くョ〜No.2 ( No.2 )
日時: 2010/11/06 08:27
名前: 心綺 (ID: tUnkNpYv)

>>1の続き↓



「まだだれにも言っとらんようじゃのぅ」

「!」


昼休み。

屋上でぼーっと空を眺めていたら真後ろからあの時のベルベットのような声が聞こえた。

振り返れば、アヤシク笑う仁王くんがいた。


「由梨サン」


彼はわたしの隣に座る。

そして、わたしの髪で遊び始めた。


「やわらかい髪じゃの」

「え、?」


サラサラと弄ぶ。

どうすればいいのか分からず、されるがままにしていると仁王くんが口をひらいた。


「五時限目サボってくれんか?」

「え?」

「お前さんだけに言いたいことがあるんじゃ」


仁王くんはそういうと微笑んだ。

口の端を釣り上げたような笑いではなく、自然に。

わたしはコクリ、と頷いた。

すると仁王くんは「ありがとさん」と言って頭を撫でてきた。






五時限目開始のチャイムが鳴り響く。

わたしのとなりで寝転がっていた仁王くんが起き上がった。

そしてわたしのまん前に移動すると胡坐をかいて言った。


「秘密を教えてあげるじゃき」


わたしは「うん」と頷いて正座する。


「ククッ 別に正座せんでもよか」

「え、ああ…」


苦笑を浮かべて正座を崩すと仁王くんは話し始めた。


「単刀直入に言わせてもらう」

「うん」

「オレは吸血鬼なんじゃ」

「うん…え?」


吸血鬼?

聞き返すと彼はコクリと頷いてその鋭い牙が生えた歯を見せてくれた。

おおう……確かに牙がある。


「そして、定期的に血を飲まんとイライラしての。」


人を殺してしまうんじゃ。

そう言った彼の言葉にゾクリと鳥肌が立つ。

「嘘じゃけど」

「嘘なのかΣ」

「ハハハッ」


仁王くんは愉快そうに笑って続けた。


「人を殺してしまうのは嘘じゃ。ばってん、定期的に飲まんと禁断症状が起きるじゃき」

「き、禁断症状…」

「おん」

「そ、そ、それはどうなってしまうの…?」


仁王くんは真剣な顔をしてこう言った。


「陽の光が浴びれんようになる」

「…とは?」

「昼間歩けなくなること」


それに何も食べれなくなって…うんたらかんたら、

と彼は続けた。

じゃ、ほんとの吸血鬼じゃないですか。




終わりっと。