二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: テニスの王子様〜妄想したの書くョ〜No.2 ( No.8 )
日時: 2010/11/06 11:05
名前: 心綺 (ID: tUnkNpYv)

続き☆これ最後

なんだって?

いまさり気なく告白が聞こえたような。


≪あ、あんな平凡少女のどこがいいのよ!≫


えー全部聞こえてますけどー

千歳はクツクツと笑ってる。

白石くんはわたしをじっと見つめて叫ぶ。


≪平凡ちゃうで!由梨はあんたらと違うで。めちゃめちゃ気配り上手やし、ま、たまに馬鹿で鈍感で、おっちょこちょいやけど!≫


え、それ褒めてんの?


≪でもそないなとこが好きやねん≫


まじか。

白石くんは美女らにそう吐き捨てこっちを見た。

隣でまた布団干しのように窓際に取り掛かる千歳。

そして


≪好きやっ!!≫


そう叫ぶ白石くんから目を泳がす。


「お前さん、答えなっせ」

「え、なんかやだよ」

「どぎゃんして?」

「なんか恥ずかしい…!」


中庭にいた生徒たちがこっち見てるし、

しかも何気にテニス部も見てる。

公開告白じゃん。


「早う返事せんと、白石ば恥ずかしいばい」


そうだ。

ここでわたしが返事しなかったら白石は公開失恋だ。

わたしはまた白石くんを見た。

真剣そのものの目に圧倒される。

すると千歳が起き上がった。

そして、中庭まで聞こえる声で言った。


「早く返事ば言わんとここから突き落とすたい」

「え!!」

≪は!?≫


ふざけんな千歳!

という声に千歳がクスッと笑ってわたしを担ぎあげた。


「ぎゃっ!」


それと同時に耳打ちされる。


「え、はあ!?ちょっと、わたし死んじゃう!」

「だいじょうぶたい。白石が受け止めてくれるっと」


そう言って千歳はわたしを窓の外へ出す。

千歳がわたしの脇から手を離せば完ぺきに死ぬ。

中庭からも悲鳴が上がる。


「白石!」





そんなに好いとうなら助けてみ?


その言葉を合図にわたしの体は宙を浮く。

いや。

引力によって地面へと落下する。


うそ、あいつマジで落としやがった!!


落ちていくのがとてもゆっくりだ。

わたしを見下ろす千歳は手を振ってるし。

耳には中庭の生徒の悲鳴が入る。


ああ、あたし死ぬのか。


そっと目を閉じたときだった。

ポスっと誰かに受け止められた。


あ、天使?


そっと目を開くと。

綺麗なやわらかい色素のうすい髪が視界の端にある。

それから聞こえてきたのは



「千歳あとで覚えてろ!!」



あれ、わたしまだ生きてた。


「だいじょうぶか?」

「え…白石くん?」

「ったく……まあ、千歳には礼という名のお仕置きをしとくか。」


白石くんはそっと微笑んでこう言った。


「好きや」


その言葉に目を見開く。

すると耳を通るのは小春ちゃんと一氏くんと謙也くんの絶叫。

白石くん越しから見える四階の窓には千歳が拍手して笑ってる。


「…返事は?」


中庭にいた女子や男子までも拍手をするもんだから。


「う、うん…わたしも」


そう答えないといけない気がしてきた。


え、ってかなにこれ。

わたしただ。


人の修羅場みてただけなんですけど。



白石くんが中一からずっとわたしに好意を寄せていた事を知るのはその二時間後。