二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: 忘れな草【イナズマ短編】リク少し募集、なんだよ! ( No.19 )
日時: 2011/03/01 17:34
名前: しずく ◆snOmi.Vpfo (ID: ZgrHCz15)

* 白鳥の湖を元にすっげー私的な設定加えたもの=ただの思いつき&イナズマなんて概念なし
* いないはずの魔女がいる
* 元ネタはある同人誌様からいただきました
* 配役は、オデット=ガゼル、大魔王=バーン、魔女=蓮てきな。
* なんとも私的な魔女設定。バーンと並び恐れられる「燐光の魔女」。オデットと大魔王を見て、楽しむだけの観客的存在。白鳥にされたオデットと話せる特殊能力アリ。魔女しての呼ばれ名は『ロトス』。人間に混ざるときの名前は「エリン」。【ボカロw】

「あら、白鳥の王女さま。ごきげんよう」

 森に囲まれた湖の中でそんな声がした。
 その声に湖を泳いでいた一匹の白鳥が首を持ち上げる。雪のように白い体毛を持つ美しい毛並みの白鳥だった。ただの白鳥だがどことなく気品にあふれ、普通の白鳥とは違う優雅なオーラを纏い、頭には、どこかの王族のものらしい小さな冠が乗っていた。
 白鳥は声の方へゆっくりと泳ぎ始める。水面にいくつもの波紋を生みながら、白鳥はゆっくりと進む。
彼女はいつも決まった時間に必ずここに来る。国を滅ぼされ、人間と口を利けない姿に変えられた今、唯一口を聞ける友達だ。彼女と、『エリン』と話す間は、白鳥にとっての数少ない楽しみの一つだった。

 誰も使わなくなり、木の板がところどころ抜けている桟橋に一人の少女が腰掛けていた。
 耳下まで伸ばされた黒色に輝く綺麗な髪。頭にはレースやリボンが施されたカチューシャをしている。寂しげに細められた黒曜石のようなぱっちりとした漆黒の瞳、形のいい唇。服は上半身は古代ギリシアを一枚布をベルトで止めたもので、下は長いシルク製の真紅のスカートを纏っている。
 彼女はブーツを脇に置き、裸足で退屈そうに水を蹴っていた。彼女が足を動かすたび、キラキラと輝く水しぶきが舞う。彼女が両足を上げ、下げようとしたときにすいーっと白鳥がやってきた。翼を広げて羽ばたくと、座る少女の隣に着地した。そして彼女の腕に身体をこすり付ける。

「ちょっと離れなさいよ」

 彼女——エリンは、足を静止させ、嫌そうに顔をしかめて離れるよう命令した。白鳥は渋々顔を離す。

『つくづく思うのだが……嫌なら、この湖に来なければいいではないか』

 本来は誰にも伝わらない。ただ思うだけ。それなのに、このエリンは自分の心を読み取れる。

「うるさいわね。あたしは来たいから来るの」

 いつもと同じように、眉を持ち上げ、心底不機嫌そうな声で言った。

「白鳥の王女さまだって、あたしがいないと退屈でしょ?」
『そうだな』
——
ガゼルと蓮、的な話。もちろん蓮の性格相当改ざんしてますけどねww
孤独な王女と気まぐれ魔女さんと言うなんとも不思議な関係にあります。この前思いついて、一気に結末まで書きなぐりましたが、バーンかわいそす状態。
機会があれば続き書きま